歯ブラシリサイクルで社会貢献!ライオンが目指すものとは?

歯ブラシ 2020.01.18
歯磨きや洗剤などを幅広く製造販売している、日本の大手生活用品メーカーのライオン株式会社が、2015年から歯ブラシをリサイクルして、社会に貢献する取り組みをはじめました。 このような取り組みを、コーポレートサステナビリティ(Corporate Sustainability)と言います。 これは、企業が長期的な計画を立て、活動を通じて「環境」「社会」「経済」をバランス良く継続していくというものです。

ライオンが行う「歯ブラシリサイクル」とは?

ライオン株式会社(以下ライオン)は、1981年(明治24年)の創業以来、「生活者の歯と口の健康増進を応援する」ことを掲げ、日本のオーラルヘルスケアをけん引してきました。

それと同時に経営目標のひとつとして「環境対応先進企業の実現」も掲げています。

これは、「環境負荷低減」、つまり地球温暖化の防止や廃棄物削減などをはじめとした、さまざまな環境問題に対して積極的に取り組んでいくということです。

そこで、ライオンが打ち出したのが、「LIVE計画(LION Value Evolution Plan=ライオンバリューエボリューションプラン)」です。

この計画は、日本の社会やお客さまから「価値(=Value)ある企業」として必要とされるだけでなく、アジアの国や地域からも必要とされることを目指し、「より進化(=Evolution)する」ことを目指しています。

その足掛かりとして、2018年から3年の間に、ライオンならではの発想で未来へつなげる社会貢献を行うことのひとつとして、これまで続けてきた「歯ブラシリサイクルプログラム」を前面に打ち出すことになりました。

歯ブラシは、1か月に1度定期的に交換することが、歯と口の健康に繋がります。

歯ブラシをリサイクルすることで、この1か月に1度のサイクルを促進していこうというのが、ライオンの考えなのです。

ライオンの「歯ブラシリサイクル」のシステム

このように、ライオンでは歯ブラシを定期的に交換することで「歯の健康」を守り、歯ブラシを手軽にリサイクルできる機会を提供することで「環境負荷低減」に貢献していこうとしています。

【歯ブラシリサイクルのシステム】

登録→歯ブラシの回収→歯ブラシの引き取り→リサイクルポイントが貯まる

①登録は個人や団体を問わず、無料でできるので、事前に登録をします。

②登録をしたら、使用済みの歯ブラシを回収します。

ライオン以外のメーカーの歯ブラシも回収可能です。

受け入れできる歯ブラシ:家庭用歯磨き、掃除などで使った歯ブラシで、軽く洗って乾燥させたもの

受け入れできない歯ブラシ:電動歯ブラシ、豚毛などの天然毛、歯間ブラシ、使い捨てハブラシなど

③歯ブラシの引き取りを専門業者に依頼します。

専門業者が無料で引き取りにきてくれます。

1回の引き取りは、2kg~可能ですが、団体や法人の場合は環境に配慮し、30kg~の引き取りを呼び掛けています。

④歯ブラシの重さに応じてリサイクルポイントがもらえます。

こうして貯めたリサイクルポイントは、歯ブラシをサイクルして作られたプランターなどのプラスティック製品や、地域や教育支援などに対する寄付として使うことができます。

「歯ブラシリサイクル」されたものはどうなる?

ライオンによると、2015年からはじまった「歯ブラシリサイクルプログラム」は全国に広がり、2019年9月末の時点で544拠点、約56万本の歯ブラシを回収しているといいます。

保育園や幼稚園、児童館などが、回収ボックスを設置して積極的に歯ブラシの回収を行っていたり、学校などでは授業の一環として受け入れていたり、その回収方法はさまざまです。

さきほど最小引き取りは2kgとお話ししましたが、歯ブラシに換算すると何本くらいになると思いますか?

2kgの歯ブラシは、約200本だそうです。

集められた歯ブラシは、これまでのように焼却炉や埋め立て地に運ばれるのではなく、専門業者に引き取られて、プランターなどのブラスチック製品に生まれ変わります。

また、集められた歯ブラシの重さ10g(約1本分)ごとに、リサイクルポイントとして2ポイントが付きます。

このポイントを1ポイント1円として、さきほどご紹介したように、リサイクルされたプラスチック製品やNPO法人等の慈善事業団体に1000ポイントから寄付することができます。

ライオンの「歯ブラシリサイクル」を支えるもの

ライオンの「歯ブラシリサイクル」は、アメリカの「TerraCycle Inc.」の日本法人、テラサイクルジャパン合同会社(以下テラサイクル)と提携して行っているものです。

テラサイクルは歯ブラシを回収してリサイクル加工をし、リサイクルポイントの管理運営までを行います。

そして、ライオンはそのコストを負担しているのです。

テラサイクルは、世界20カ国でリサイクル事業を行っていますが、その特徴は「ブリゲードプログラム」を展開しているということです。

ブリゲードプログラムとは、これまで難しかったとされているものを回収しリサイクルするもので、ライオンの歯ブラシもそのひとつです。

他にもキッチンスポンジや化粧品の使用済みパッケージ、コーヒーカプセルや使用済みのゴム手袋など、さまざまなものを各企業と提携してリサイクルしています。

また、回収したものを無料で引き取り、ポイントにより寄付などで還元できるというのも、テラサイクルならではの特徴といえるでしょう。

これまで世界中で毎月何万トンというゴミが捨てられてきましたが、個人や企業が一緒にリサイクルに取り組むことで、資源として生まれ変わることに繋がります。

ライオンによると、日本では年間4.5億本の歯ブラシが消費されているといいます。

このうちの何割かでもリサイクルされれば、その分ゴミをなくすことができますね。

ライオンが「歯ブラシリサイクル」で掲げるコーポレートサステナビリティ

ライオンが2018~2020年までの3年間に取り組みとしている、「歯ブラシリサイクル」をはじめとしたLIVE計画はサステナビリティと連動して行っています。

サステナビリティとは、「持続可能性」や「持続可能な」という意味があります。

もともとは、「水産資源を減らさずに漁獲量を持続させる」という水産業界の考え方でしたが、この考え方が企業の経営に浸透していき、今では「コーポレートサステナビリティ」として確立されています。

コーポレートサステナビリティは、企業の「社会貢献」や「環境保全」といわれるものに近い考えですが、目指しているのは「今」や「その先」だけではなく、もっと先の「未来」にどう貢献していくかということです。

したがって、超長期的な取り組みとして、「環境」「社会」「経済」について考えていくことになるでしょう。

サステナビリティと似た言葉として、しばしば取り上げられるものに「CSR(Corporate Social Responsibility)」があります。

これは、「企業の社会的責任」と訳され、「企業は利益追求をするだけではなく、社会的な責任を持った上で、社会全体の要求に応えること」という意味があります。

このことから、募金や寄付などをはじめとする慈善事業を連想しがちですが、本来の意味は企業が優れた商品やサービスを提供することで社会貢献することをいいます。

ライオンが「歯ブラシリサイクル」の先に見るもの

ライオンが「歯ブラシリサイクル」の先に見据えているのは、「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」という経営ビジョンです。

世界中の人たちが心も体も健康な状態を保ち、毎日を快適に暮らす社会を、ライオンがサステナブル(持続)に貢献していくことです。

その実現に向け、ライオンでは「暮らしの中の生活習慣」について、LIVE計画やサステナビリティ事業と連動しながら、働きかけをしています。

毎日の手洗いや歯みがき、洗濯などの生活習慣は、生活にリズムを与えてくれます。

そのことが、心と体の健康維持の重要なポイントとなりますし、地球環境保全をサステナブルにしていく重要な要素でもあります。

ライオンでは、こうした生活習慣を優れた商品やサービスを提供することで、もっと気軽で楽しく、前向きなものへしていこうとしています。

その第一歩が、「歯ブラシリサイクル」なのです。

ライオンの「歯ブラシリサイクル」は未来への第1歩

サステナビリティは、「長期的な視野を持つ」ことと「企業の社会的責任はコストではない」という考え方に集約されます。

ライオンがはじめた「歯ブラシリサイクル」は、ライオンにとってはリサイクルのコストを払っているので、経済的に考えると、企業の利益にはなりません。

しかし、地球的規模で長期的に見ると、社会に大きく貢献し、大きな利益を生むことになります。

このような取り組みが、未来への明るい指針になることは間違いないでしょう。

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