犬歯などの前歯を削ることによって治療をする時の費用は?
歯科矯正 2019.08.25犬歯などの歯が虫歯になった時の歯を削る費用はいくら?
犬歯などの前歯が虫歯になった時、その進行度具合によって削る量や費用は大きく変わりますので、順を追ってご説明します。
費用に関しては病院ごとに異なりますので、一ヶ所の歯科医を抜粋してその金額を目安にしております。
●初期段階
虫歯の初期段階では、歯の表面を覆っている白いエナメル質が溶かします。
痛みはありませんが、気になる場合は虫歯を削ってレジンと呼ばれる白い詰め物をします。
一本だけなら一日で治療は終わり、費用は1500円~3000円です。
●第二段階
虫歯が歯の表面を覆っている白いエナメル質の下にある黄色い象牙質まで到達している状態です。
象牙質の下には神経がある為、虫歯の進行度具合によっては歯がしみる可能性があります。
この場合は虫歯を削った後に保険適用内の銀の詰め物か、保険適用外の白い詰め物をするかを選べます。
歯を削った後に型どりをしてから、できあがった詰め物を装着する為、一本だけでも最低2回の来院が必要で、費用は2000円~10000円です。
犬歯などが虫歯になって歯の削る量が多い場合
この章では犬歯などの歯の虫歯進行具合が重症化している状態についてご説明します。
●第三段階
黄色い象牙質の下にある、歯髄にまで虫歯が到達している状態です。
歯髄には、神経や血管、細胞が詰まっており、ミネラルなどの栄養素を運んで虫歯を修復する役割や、歯の弾力性を維持することによって歯が欠けにくい状態を保つ役割があります。
歯髄にまで虫歯が到達すると虫歯が神経を直接刺激する為、歯に激痛が走ります。
ここまでの状態になると、歯を削るだけでなく神経を抜く必要があります。
歯の神経を抜くということは血管や細胞も詰まっている歯髄を器具によって掻き出さなければいけない為、歯髄の自然治癒力が失われます。
その為、できるだけ歯の神経を抜くということは避けたいところです。
また、神経を取り除いた後に歯の根を清掃する必要がある為、来院回数がかなり多くなります。
来院回数によって治療費用が多くなります。
歯を削った部分には差し歯をすることになります。
犬歯などの前歯や奥歯などの条件で費用が異なる
差し歯とは、歯の神経を取り除いた後に歯の根元に薬を充填させ、そこにコアと呼ばれる心棒を立てて、歯の形をしたクラウンと呼ばれる被せ物をする治療法です。
差し歯には、3000円~8000円の保険適用内の差し歯と、40000~120000円の保険適用外の差し歯があります。
この章からは、それぞれの細かい特徴をご説明します。
●保険適用内の差し歯
1.硬質レジンジャケット冠
白色のレジンを材質にして作られた差し歯で、犬歯などの外から見える機会が多い前歯に使用されます。
レジンは時間の経過などで劣化すると黄色く変色する可能性があります。
費用は3000円~5000円です。
2.硬質レジン前装冠
銀や銅、パラジウムなどの硬い合金コアが中心にあり、外側に白色のレジンをかぶせる差し歯です。
費用は5000円~8000円です。
費用を削るのであれば、硬質レジン前装冠は適しておりません。
3.銀歯
金銀パラジウムなどが材質の差し歯です。
見た目は目立ちますが強度は高いので、強い噛む力が加わる奥歯に使用されます。
費用は3000円~5000円です。
保険適用外の差し歯の費用について
必要費用を削るのであれば、保険適用内の差し歯にした方が良いですが、材質に限界があります。
保険適用外にすることによって、耐久性や審美性に優れた差し歯を作ることができます。
1.ハイブリッドセラミック
レジンにセラミックを混ぜた差し歯で、レジンが混ぜ合わさることによって劣化による変色を緩和します。
費用は40000円~120000円です。
2.オールセラミック
レジンを全く使わずにセラミックだけを使用した差し歯です。
汚れの付着や着色がしづらく、劣化による変色がありません。
ただ、セラミックは強度に欠ける為、犬歯などの噛む力があまり加わらない前歯に使用されます。
費用は80000円~150000円です。
3.メタルボンド
銀や銅、パラジウムなどの硬い合金コアに表面をセラミックで覆ったクラウンをかぶせる差し歯です。
セラミックだけだと強度に不安がありますが、内部が合金なので強度があります。
ただ、歯茎が下がると歯と歯茎の境目から黒い合金が見える可能性があります。
費用は80000円~150000円です。
強度の高い差し歯
前章に引き続き、保険適用外の差し歯についてご説明します。
4.ジルコニアクラウン
人の体と相性の良いジルコニアを使用し、表面を白いセラミックで覆った差し歯です。
表面が白さと強度の高さを両立しているので、犬歯などの前歯で使用できるだけでなく、噛む力の強い奥歯でも使用できます。
メタルボンドとの大きな違いは、歯と歯茎の境目が黒く見えるというようなことが無いことです。
材料であるジルコニアが硬く、作製に時間がかかる為、費用は100000円~200000円と差し歯の中でも特に高額です。
5.金歯
金合金を使用した差し歯です。
歯の色は金色なので目立ちますが、天然歯に近い強度を持っている為、奥歯に使用されます。
費用は40000円~120000円です。
差し歯のご説明は以上になります。
保険が適用されるかどうかで値段が大幅に変わる為、あなたの要望に合わせつつ必要費用をどこまで削ることができるか歯科医と相談しながら決断されることをお勧めいたします。
歯を削るのではなく抜かなければならない場合も!
虫歯が進行して歯の大部分が失われてしまった場合は、抜歯という処置が取られます。
神経が死んでいる状態で痛みを感じませんが、虫歯菌の感染源となって周囲の歯にも悪影響を及ぼす可能性がある為、抜歯が必要になります。
犬歯などの前歯を抜くと目立ちますし、奥歯を失うと噛む力が全体の30~40%も失われますので、歯を埋める処置も施します。
治療法は3種類あります。
●ブリッジ
人口の歯を失った部分に設置し、人口の歯から左右に伸びている冠を両隣の歯に被せて固定する治療法です。
冠をかぶせる為に両隣の歯を冠に合わせて削る必要があります。
費用は1本当たり10000円~20000円です。
●部分入れ歯
人口の歯と人口の歯肉で形成された部分入れ歯を、口腔内に残っている歯に金属のバネや磁石を用いて固定する治療法です。
費用は材質や保険が適用されるかどうかによって大きく変わり、100000円~800000円です。
●インプラント
金属の人工歯根を顎の骨に埋め込んで固定し、それを土台に人口の歯を装着する治療法です。
顎の骨に直接固定するので、噛む力は健常の歯とほとんど変わりません。
保険が適用されず、費用は1本で340000円~となっております。
保険が適用されない治療の場合は費用が歯科医によって異なりますので、比較してから検討することをお勧めいたします。
それぞれの治療ごとに費用が大きく変わる!
虫歯治療では、段階によって治療法や費用が大きく変わります。
歯を大きく削ることになったり、抜歯することになると、ますます高額な費用になります。
まずは現段階での治療が必要かもしれませんが、最も理想的なのは普段の日常で口腔ケアを徹底して行い、歯の健康を維持できるようにすることです。