唾液に含まれる成分の覚え方を紹介!唾液がもつ8つの作用

口臭 2019.08.01

口内には唾液が存在しますが、その唾液にはさまざまな成分が含まれています。

唾液は虫歯、口臭などを予防する働きがありますが、それらを予防する成分、成分の覚え方とそれぞれの作用について、分かりやすく説明していきます。

詳細は後述しますが、唾液は人の健康に欠かせないものです。

唾液の成分とは?覚え方はあるの?

唾液の成分は、ほとんど水分です。

約99.5%が水分だとされており、残りの0.5%程度がその他成分になります。

その0.5%の中には無機成分と有機成分があり、無機成分にはカルシウム・カリウム・ナトリウム・炭酸水素・無機リンが、有機成分にはアミラーゼ・IgA・ラクトフェリン・リゾチーム・ラクトペルオキシターゼ・ムチンが含まれています。

無機成分については日ごろ耳にする成分ですので覚え方もそう難しくはありませんが、有機成分に関しては耳にするアミラーゼやラクトフェリン、ムチンなどの成分は覚えられても、IgA、リゾチーム、ラクトペルオキシダーゼについては、なかなか覚えられません。

そんな時は、こう覚えましょう。

アミラーゼは酵素、IgAは免疫物質、ラクトフェリンは抗菌物質、リゾチームとラクトペルオキシダーゼは酵素・抗菌物質、ムチンはタンパク質。

セットであれば覚えやすいのではないでしょうか。

わずか0.5%ですが、そのわずかな成分の中に人々が健康に暮らすための物質がこれほどまでに含まれているのです。

口腔内が乾いてきた時は、唾液が減少した時です。

唾液が減少すると、口臭、歯周病、虫歯の原因になりかねませんので、口腔内の乾きを感じた時はお茶や水を口に含み口腔内に水分を与えましょう。

唾液腺の覚え方!唾液分泌との関係

口腔内では唾液に含まれる成分が効率的に働くことによって、口臭、歯周病、虫歯のリスクが軽減されることはよく知られています。

その唾液が分泌される器官は、耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つの大唾液腺、舌、口蓋と呼ばれる粘膜面に存在する小唾液腺です。

一般的に健康な毎日をおくる成人は1日あたり1~1.5リットル程度の唾液が分泌されており、その量より少ない場合は分泌が正常に働いていないと考えられます。

しかし、唾液は眠りにつく深夜に機能が低下しますので、唾液の分泌量は減少し細菌が増殖しやすくなります。

歯医者に行くと歯磨き指導があり、歯の健康について、また歯磨きの覚え方などについてのアドバイスがありませんでしたか。

その際、朝起きてすぐ歯磨きをするよう指導されたこともあったかと思います。

実は、起床してすぐの口腔内には唾液が減少したことによって細菌が繁殖し、その細菌が口腔内にたむろしているわけです。

細菌をそのままにして食べ物を口の中に入れてしまうと、深夜に繁殖した細菌は食べ物と一緒に身体の中へ入ってしまいます。

細菌が身体の中に入っていくことは、あまり良いことではありません。

朝起きたら歯磨きを行う。

今まで朝食後に歯磨きを行っていた方は、今までの習慣を変えることをおすすめします。

唾液がもつ8つの作用!成分と作用の覚え方

口腔内に存在する唾液には、8つの作用があります。

この8つの作用に唾液に含まれる成分が効果的に働いていることは言うまでもありません。

作用の覚え方は以下のセットです。

1.自浄作用 食事の後、歯、歯間に付着している食べかすを洗い流す作用。

2.抗菌作用 口腔内の細菌の繁殖を抑制する作用。

3.pH緩衝作用 食事をすると口腔内は酸性に傾き、虫歯、歯周病などの原因になる。

その傾いた口腔内のpHを中和させる作用。

4.再石灰化作用 虫歯菌によって溶けかけた歯の表面を修復する作用。

5.消化作用 口腔内に入った食べ物を酵素アミラーゼがでんぷんに分解し、消化しやすくする作用。

6.潤滑作用 粘性をもつムチンが粘膜保護、発声をサポートする作用。

7.溶解作用 食べ物、飲み物の味を感じさせる、噛み砕く、飲み込みやすい大きさにする作用。

8.粘膜修復作用 食べ物などの刺激でダメージを受けた口腔内を修復する作用。

これらの作用は、唾液に含まれる無機成分、有機成分が効果的に働くことで得られる作用になります。

正常な働きを維持するには、唾液のもつ作用を理解することが大切です。

歯周病を予防!唾液の成分に着目

親御さんの努力から虫歯で悩む子どもが減少している反面、歯周病で歯医者を訪れる高齢者が増えていることをご存知でしょうか。

歯周病を防ぐには毎日の歯磨きが必須ですが、歯磨きの習慣によってはそのほかの口腔内トラブルを発生させてしまう恐れがあるため注意が必要です。

歯周病予防に大きな役割をもつのは、唾液、唾液に含まれる成分です。

口腔内に唾液が存在することは、周知の事実です。

しかし、唾液にどんな成分が含まれているかまでご存知の方は少ないのではないでしょうか。

前述の通り唾液にはさまざまな成分が含まれていますが、歯周病予防にもっとも深く関係している成分は抗菌作用をもつリゾチームとラクトフェリンです。

覚え方は簡単ですので、このリゾチーム、ラクトフェリンの役割を覚えておきましょう。

まず、リゾチームは酵素です。

通常、口腔内には数多くの細菌が潜んでいますが、リゾチームはその細菌の細胞壁を壊し、細菌の増殖を防ぐ作用をもちます。

続いてラクトフェリンですが、こちらは糖タンパクになります。

ありがたいことに、このラクトフェリンは自ら細菌に付着し、細菌の発育を阻害する作用をもちます。

昔、擦り傷を負った際に「唾をつけとけば治るよ」と言われませんでしたか。

唾液にこれらの抗菌作用をもつ成分が含まれていることを考えれば、この言葉はとても理にかなった言葉だったのですね。

唾液が減るとどうなるの?成分も減るの?

ランニングやジョギングなど、運動を行った後、喉をうるおすために水分を摂りますが、それでも口腔内に乾きを覚えることはありませんか?

これは、唾液の分泌量が減少することによって発生する症状の一つですが、口腔内の唾液が減少するとさまざまなトラブルを発生することを覚えておきましょう。

例えば食事です。

食べ物をかみ砕く力が弱まり、飲みこみづらくなります。

また、口腔内にネバつきを感じる、口臭がきつくなる、口を開けにくくなるなどの不快感を覚えます。

慢性的な減少傾向にあると、これらの不快感が続くことになり、人間関係や仕事面でデメリットが生じ大きなストレスへと発展してしまうことも少なくありません。

では、なぜ唾液が減少するのでしょうか。

その主な原因は生活習慣にあります。

唾液の成分は耳下腺、顎下腺、舌下腺と、舌、口蓋などにある小唾液腺から分泌されることはお伝えしましたが、加齢、ストレス、口呼吸、不規則な生活や食習慣、喫煙などによって、唾液の分泌量が減少することがあります。

原因となるものをすべて覚えておく必要はありませんが、覚え方次第では口腔内トラブルを防ぐこともできますので、この機会に覚えておいてはいかがでしょう。

唾液の分泌を減らす原因はこんなところにも

医師から内服薬を処方してもらい、薬を服用している方も少なくないと思いますが、実は知らず知らずのうちに唾液成分の分泌を抑える作用をもった薬を服用していることがあります。

現在、処方されている内服薬の中で唾液の分泌に何らかの影響がある薬は、約700種類といわれています。

種類の数が数なため、覚え方はありません。

一般的な化学療法薬などが該当するようですが、薬を服用しているからと言って口腔内の乾き、歯周病や虫歯などのトラブルを招く直接的な原因であるとは言い切れません。

ただ、唾液の分泌量が減少する可能性があるということは覚えておきましょう。

口腔内の渇きが気になるタイミングと重なるな、と気になる方は、かかりつけ医にご相談ください。

唾液の減少に注意!唾液を知ることから始めてみよう

唾液は虫歯や口臭を予防することに役立ちますが、減少すると、さまざまな口腔内トラブルを生む原因になります。

口腔内のことは専門家に相談することで解決できますが、唾液のもつ作用を覚えておくことで役に立つ機会があるかもしれません。

普段気にならないかもしれませんが、この機会に関心を深めてみましょう。

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