差し歯の臭いの原因と予防!取れた時の応急処置はどうする?
歯科矯正 2019.01.01口から嫌な臭いが!口臭の原因って何?
差し歯から発生する口臭の前に、口臭の種類などについてお話しします。
そもそも口臭がまったくしない人はおらず、誰にでもあるものといわれています。
例えば、起床時や臭いの強いニンニクなどの食品を食べた時や、タバコを吸った後などに口臭がするのは当たり前のことです。
また、生活習慣や体調などによっては、口臭が強くなったりすることもあるのです。
口臭は「生理的口臭」と「病的口臭」の2つにわけることができます。
【生理的口臭】
・舌苔
舌苔とは、舌の上に付着している白いもののことをいいます。
健康な状態であれば、舌にうっすらとついていて、気になる程の臭いはしないとされています。
しかし、舌苔が分厚く付着している場合は「硫黄のような臭い」がすることもあるといわれています。
・口の乾燥
口呼吸をしていたりすると口の中が乾くことで雑菌が繁殖しやすくなり、口臭につながることがあります。
・飲食物
ニンニクやネギ、またはアルコールなどの臭いの強いものを摂取することで、一時的に口臭がすることもあります。
・歯垢
歯の表面に細菌のかたまりである歯垢が溜まっていると、その細菌が代謝されたものから臭いがするといわれています。
・膿栓
喉の扁桃の近辺に、膿栓と呼ばれる食べ物のカスなどが溜まったものができることがあり、うがいなどで取れたりすることもあります。
・ホルモンバランス
ホルモンのバランスが崩れることで口臭がするケースもあります。
【病的口臭】
・歯周病
歯茎が炎症を起こし歯周病になると、口臭がすることもあります。
放置しておくと、もっと深刻な症状の引き金にもなる可能性があります。
・虫歯
重度の虫歯になると、膿が出たりすることで口臭がすることもあります。
・体の病気
蓄膿症・糖尿病・肝炎・肝臓病・消化器系・呼吸器系の疾患などでも、口の臭いを発生させることがあります。
差し歯が取れた・取れていないに関わらず臭う!どうして?
口から嫌な臭いがする主な理由についてある程度お分かりいただけたところで、差し歯から嫌な臭いがすることについてお話ししていきます。
差し歯が取れている・取れていないに関わらず、差し歯から臭いがする原因は様々なものがありますが、今回はその中から3つお伝えします。
【虫歯】
最も多いのは、差し歯の隙間に汚れが溜まって、自分の歯の根が虫歯になってしまった場合です。
差し歯の処置をする際、神経を取っているケースが多いといいます。
神経を失った歯は、虫歯になっても痛みを感じることがないので、気づかず放置されてしまいがちだといえます。
そして、そのまま放置された虫歯から、嫌な臭いを放つようになるのです。
また、神経を失った歯はもろく、折れやすいともいわれています。
【歯垢】
また、他にも差し歯と歯茎の間に歯垢が溜まっていることも、1つの原因として挙げられるでしょう。
口の中は、虫歯菌などの菌が常にいて、食べかすなどを栄養にして増殖し、歯垢を作り出します。
その歯垢が差し歯と歯茎の間にくっついたままになることで、嫌な臭いを放つようになるのです。
また、歯垢は口を水ですすいだ程度で取れたりすることはあまりなく、歯磨きが必要です。
ちなみに、歯垢がきちんと除去されず固まって歯石になってしまえば、歯科での処置が必要となります。
【歯が割れている】
他にも、差し歯の土台となっている部分の歯の根が割れてしまっていることで、細菌が入り込み、悪臭が発生していることも考えられます。
しかも、臭いがするだけでなく、差し歯が取れてしまう可能性すらあるのです。
歯の根が割れてしまったら、差し歯にするための土台がなくなってしまうので、再び差し歯を入れることは困難だといわれています。
差し歯が取れたらどうすればいい?
前項では、臭いがする原因などについてお伝えしてきました。
臭いなどの異常を含め、痛みやグラつきなどがあると、差し歯の土台となっている部分に何かしらの異常がある可能性が考えられます。
それだけでなく、最悪の場合、差し歯が取れることもあるのです。
もしも差し歯が取れたら、どうしたらよいのでしょうか。
まず、基本的なこととしていえるのは、差し歯が取れてしまったら、歯科にすぐに行くことです。
しかし、「すぐに歯科にいくのは難しい…」という人もいらっしゃるでしょう。
そういった人は、次のような方法を試してみるのもよいかもしれません。
・前歯などが再び入るか確認
前歯などの差し歯が抜けてしまった場合、やはり気になるのは審美性でしょう。
そんな時の応急処置は、入っていた位置に差し歯が戻るどうかを確認し、戻るようであれば、ゆっくりと戻します。
決して無理に押し込んだりすることはせず、優しく行うようにしてください。
しかし、この方法は、あくまでも応急処置なので、これでくっついたとしても、必ず歯科に行きましょう。
・入れ歯安定剤を使ってみる
入っていた場所に差し歯が戻るものの、簡単に落ちてしまう場合は、入れ歯用安定剤を使用してみるのも1つの方法でしょう。
使い方としては、差し歯の内側に入れ歯用安定剤を塗り、くっつけるだけです。
ただ、入れ歯用安定剤はだんだん固くなり、取るのが難しくなりますし、衛生状態も悪化しやすいです。
あくまでも応急処置にして、すぐに歯科に行くことを前提として、これらの方法を試してみるとよいでしょう。
差し歯が取れた時に絶対にやってはいけないこと
また、差し歯が取れてしまった際にやってはいけないこともお伝えしていきます。
・瞬間接着剤を使用する
セメダインなどの瞬間接着剤を使用して、取れた差し歯をくっつけることは、絶対にしないようにしましょう。
瞬間接着剤でくっつけられた差し歯を綺麗に取ることは、歯医者さんでも不可能といわれています。
また、瞬間接着剤の付着した差し歯は、再度作り直しになってしまう可能性がとても高いです。
・戻した歯で咀嚼する
「差し歯を戻せたから」といって、戻した差し歯の部分で咀嚼をすると、歯の根に加わる圧力が変化してしまうこともあり、歯の根が割れたり、差し歯が折れてしまうこともあります。
歯の根が割れてしまうと、前項でもお伝えしたように、細菌が入り込んで臭いの原因にもなります。
差し歯を戻せたとしても、その歯を使って咀嚼をすることはやめましょう。
・歯科に行かない
差し歯が取れても歯科に行かず放置をしていると、歯の根の内部や象牙質などの歯の弱い部分が虫歯になりやすくなり、それもまた口臭の原因にもなります。
たとえ自分で戻せたとしても、きちんと接着されているわけではないので、できる限り早く歯科に行きましょう。
差し歯の臭いを予防するためにできること
差し歯が取れた・取れていないに関わらず、差し歯周辺の異常は、口臭を招く原因になり得るということがお分かりいただけたでしょうか。
そこで、ここでは差し歯のお手入れ方法などをお伝えしていきますので、是非、実践してみてください。
・定期的な検診を受ける
差し歯を入れている土台になる歯が虫歯になったりしていないか、割れていないか、歯の根の病気になっていないかなどを定期健診を通してチェックしてもらうようにしましょう。
「差し歯から嫌な臭いがする」というような場合、定期健診で原因が分かることもあります。
また、定期健診で明らかになった虫歯や口の中のトラブルは、すぐに治療しましょう。
・歯磨き
歯磨きは1日・2~3回が理想的といわれています。
また、デンタルフロスを使用すると、より歯磨きの効果を高めることができるでしょう。
口の臭いが気になるなら正しい歯磨きを習慣づけよう!
差し歯から漂う嫌な臭いが気になったら、定期健診にいくのと同時に、歯磨きの仕方を改めてみるのもよいでしょう。
歯の形はそれぞれ違っていて、複雑な凹凸があります。
その複雑な凹凸に、口臭や虫歯などの元ともなる歯垢が張りついています。
歯垢は、水ですすいでも取れたりすることはないので、しっかりと歯ブラシで掻き出さなければなりません。
また、歯の場所によっては磨きにくいところもあるので、「1本ずつ磨く」ということを意識しつつ、歯ブラシを行ったり戻ったりさせずに、一方通行でおこなうとよいでしょう。
その際は、歯ブラシをタテにしたり、毛先を上手に使って磨くと、よりしっかりと磨くことができます。
また、歯ブラシの持ち方は、ペンを持つようにして軽く握り、力を入れないで磨くことが大切です。
最後は、歯磨きが終わった後にデンタルフロスを使って仕上げると、歯と歯の隙間の歯垢も取り除くことができます。
なお、デンタルフロスを差し歯に使用する時は、無理に引っ張ったりせず、そっと滑らして引くようにしてください。
毎日のケアを正しくおこない口臭を防ごう
「差し歯から嫌な臭いがする」と感じたら、日頃のオーラルケアを見直してみたり、歯科医院に定期健診に行くことをおすすめします。
また、歯磨きの方法を変えてみるのも、口臭の予防に繋がるかもしれません。
差し歯が取れてしまったとしても、慌てずに応急処置をして、その後は必ず歯科医院に行くようにしましょう。