ミドル脂臭で頭皮が臭う!ニオイ対策はシャンプーでできる
加齢臭 2019.10.10そもそもミドル脂臭と加齢臭の違いは?加齢臭のメカニズム
シャンプーで対策を行っていくには、まずはミドル脂臭とはどのようなものか知っていく必要があります。
ミドル脂臭は、しばしば50代半ばから本格化する加齢臭と混同されがちですが、実は両者は全く異なる種類のニオイだということが分かっています。
ではまず、ミドル脂臭と加齢臭の違いについて見ていきましょう。
まず、加齢臭とは、枯れ草やロウ、古本のような独特なニオイが特徴で、40歳以降になるといわゆる「おじさん臭」となって発生し始めます。
加齢臭の原因物質は、皮脂の成分から発生する「ノネナール」です。
ノネナールは、皮脂腺から分泌される「パルミトレイン酸(脂肪酸)」が皮脂と共に酸化されることで生成され、嫌な臭いの原因物質となります。
このパルミトレイン酸は40歳を過ぎると急増しますが、それと同時に増加する「過酸化脂質」によってノネナールの発生はさらに拍車がかかります。
過酸化脂質とは、中性脂肪やコレステロールなどの脂質が活性酸素によって酸化されたもので、この過酸化脂質とパルミトレイン酸が結合し、皮膚上で酸化されることでノネナールが出来上がります。
主に、皮脂腺が多く点在する頭皮や首の後ろ、背中、脇などから、加齢に伴って発生しますが、特に頭皮からは「ミドル脂臭」も発生するため、体臭はさらにそれらが合わさった強烈な加齢臭となってしまうのです。
では、ミドル脂臭について次項で詳しく見ていきましょう。
ミドル脂臭とはどのようなもの?
ミドル脂臭とは、油っぽい汗のニオイが特徴ですが、加齢臭よりもさらに強烈なニオイと言われており、加齢臭と混ざり合うことで体臭を強力にします。
汗臭や加齢臭とは異なる「第三のニオイ」とも呼ばれ、30代半ばから40代半ばにかけてニオイはピークになります。
ミドル脂臭の原因物質は「ジアセチル」という臭気成分ですが、皮脂が代謝分解されてできた中鎖脂肪酸と混ざり合うことで強烈なミドル脂臭をつくりだします。
特に、粘性の高い皮脂が発生する頭皮は、このミドル脂臭が蓄積しやすい部分なため、「枕が臭い」という現象を引き起こします。
さらに、ジアセチルは疲労やストレスによって増加することも分かっており、働き盛りのミドル世代がミドル脂臭に悩む原因の一つでもあります。
このように、加齢臭とミドル脂臭は原因物質が異なり、それぞれが相まって悩ましい強烈な体臭をつくりだすのです。
では、ミドル脂臭対策におすすめされるシャンプーについて、次項でお話ししていきましょう。
ミドル脂臭対策のシャンプー選び!ポイントは適切な洗浄力と低刺激
頭皮の皮脂はもともと落としづらい上に、さらに男性のミドル世代は粘性があります。
しかし、だからといって洗浄力の強いシャンプーで洗ってしまえば、頭皮を守る必要な皮脂まで取り除いてしまい、逆に過剰に皮脂が分泌される原因になりかねません。
そのため、ミドル脂臭対策のシャンプー選びでは、以下の2つのポイントを押さえておくことが大切です。
①余計な皮脂を効果的に落とせる(適切な洗浄力)
②頭皮環境に配慮している(低刺激)
以上の2つのポイントを考えると、脂臭対策のシャンプーには「アミノ酸系」を選ぶことがおすすめされます。
アミノ酸系シャンプーとは、弱酸性の頭皮や髪と同じ成分でできている低刺激シャンプーで、洗髪時に避けられない頭皮へのダメージを軽減してくれます。
さらに、頭皮環境を優しく整えるだけでなく、効果的に皮脂を落としてくれるので、ミドル脂臭が気になる頭皮には理想的なシャンプーと言えます。
ミドル脂臭対策におすすめのアミノ酸系シャンプー!種類は3つ
一口にアミノ酸系シャンプーと言っても、アミノ酸成分は様々で、何がどのように違うのか分かりません。
まず、アミノ酸系シャンプーは、大きく3つの種類に分けることができます。
①ココイル系:ココイルグルタミン酸、ココイルアラニンTEAなど
髪や頭皮へのダメージが少なく、荒れやすい敏感肌の方におすすめです。
ただし、洗浄力が低く泡立ちにくいため、しっかり洗いたい方には物足りない印象があります。
また、「ココイル」と付いていても、全てがアミノ酸系成分なわけではないため、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。
②ベタイン系:ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタインなど
弱酸性で高い保湿力を備えているため、乾燥しやすい頭皮に向いています。
ただし注意したいのは、ココイル系と同様に洗浄力が低い点です。
③メチルアラニン系:ラウロイルメチルアランNa
頭皮に優しい効果はもちろん、余分な皮脂をしっかり落としてくれる洗浄力の高さが特徴です。
ココイル系やベタイン系など、アミノ酸系シャンプーは地肌に優しい分、洗浄力が弱いデメリットがありますが、メチルアラニン系は洗浄力もカバーされた万能型と言えます。
ただし、その分価格が高いデメリットがあるため、色々な製品をチェックしてみることをおすすめします。
以上のように、アミノ酸系はそれぞれ特徴が異なるため、自分の頭皮環境や状態に合わせたアミノ酸系シャンプーを選んでミドル脂臭対策をしていくことが望まれます。
シャンプーの間違ったやり方がさらなるミドル脂臭に!
これまでに、ミドル脂臭対策のシャンプー選びについて見てきましたが、頭皮環境を適切に整えるためには普段のシャンプーのやり方も大切です。
間違った髪の毛の洗い方の一つに、日常的にゴシゴシと強い力で洗ってしまうケースがよく見られます。
これでは、せっかく低刺激のアミノ酸系シャンプーを使っていても、自ら頭皮に必要な皮脂を削り取ってしまい、頭皮にダメージを与えていることになります。
過剰な皮脂の発生原因になることで、ミドル脂臭をさらに強めてしまう可能性もあります。
さらに、皮脂は頭皮に潤いを保つためのバリアでもあるため、全て洗い流してしまうと乾燥肌やフケを招くこともあります。
洗い方のポイントは、指の腹を使って優しく洗うことです。
くれぐれも爪は立てず、マッサージするようにやわらかくシャンプーをするようにしてください。
また、ミドル脂臭が気になるがために一日に何度も頭皮を洗うケースもありますが、シャンプーは1日1回に留めるようにしましょう。
ミドル脂臭対策を意識したシャンプーを!押さえておきたいポイント
ミドル脂臭対策を意識したシャンプーのやり方には、優しく洗うこと以外にも押さえておきたいポイントがいくつかあります。
以下のポイントをしっかり押さえ、日頃のシャンプーのやり方を見直してみてください。
・予洗い
シャンプーよりも入念にやっておきたいのが予洗いです。
予洗いには、髪や頭皮に付着した埃を取り除き、毛穴を開かせて頭皮をやわらかくする目的があります。
また、予洗いによって髪や頭皮の7~8割の汚れを取り除くことができます。
・シャンプー時の後頭部
ミドル脂臭が蓄積しやすい後頭部は、軽くマッサージするようにゆっくり洗い上げてください。
ただし、力を入れすぎないように注意してください。
・すすぎはしっかり行う
シャンプー後のすすぎも入念にやっておきたいポイントです。
と言うのも、サッと軽く洗い流しただけだと、シャンプーの溶液が残りやすく、乾燥や痒みなど頭皮トラブルに繋がる場合があります。
そのため、予洗いと同様に時間をかけてしっかりと洗い流すようにしてください。
シャンプーを見直してミドル脂臭対策を
ミドル脂臭は、仕事で忙しいミドル世代にはありがちな悩みで、特に皮脂腺が女性よりも発達している男性にとっては生理的な現象と言えます。
しかし、だからといってニオイのケアを怠るわけにもいきません。
まずは自分の使っているシャンプーを見直し、ミドル脂臭対策を意識した洗い方を心がけていきましょう。