毎日歯磨きしてるのに!口臭が消えない原因と正しい歯磨き
歯磨き 2020.05.16毎日の歯磨きでも消えない口臭!そもそも口臭の原因は?
呼吸や会話をする際に生じる口臭は、自覚することが難しいうえに、毎日きちんと歯磨きをしていてもなかなか改善されないケースは少なくありません。
「毎日歯磨きをしているのに」と首を傾げる方も多いでしょうが、改善されないということは、そもそも歯磨きのやり方や口臭対策が間違っていると考えたほうが良いかもしれません。
無闇に歯磨きをする前に、まずはなぜ口臭が発生するのか、その原因についてしっかり知っておく必要があります。
そもそも、口臭が発生する原因には、私たちが思っている以上に様々な要素が絡み合って合っています。
まず一つ目は、プラーク(歯垢)や歯石です。
プラークは、食後に歯や歯茎に付着した食べカスが、虫歯菌のエサになることでつくられます。
数億もの細菌が棲みついた細菌の塊で、これを放置することでやがて石灰化し、頑固にこびり付く歯石と変化していきます。
このようなプラークや歯石は、卵が腐ったような硫黄臭を発するため、毎日の歯磨きでプラークをしっかり落とすか、歯石がある場合は歯科医院で除去してもらうことが必要でしょう。
口臭の原因は口腔環境の悪化!歯周トラブルや虫歯の進行
二つ目に考えられる口臭の原因は、歯周トラブルや虫歯です。
まず、歯周トラブルでは、歯周ポケットにプラークが溜まって細菌が繁殖することによる口臭があります。
プラークなどの放置された細菌が、歯と歯茎の溝の奥まで入り込むと、溝がより深くなって歯周ポケットになります。
このポケットが細菌の温床となって硫黄のような腐敗臭を放つようになってしまうのです。
歯周の状態が悪化すると、歯茎から出る膿によってより臭いが強烈になります。
また、虫歯の場合、口臭の要素は以下のようにいくつか考えられます。
・う窩(か)に食べカスが詰まって発酵する
むし歯で広がった穴に食べカスが詰まることで、細菌がさらに繁殖し、発酵して悪臭を放ちます。
・進行した虫歯が神経を腐らす
虫歯の進行が神経にまで達することで、神経が腐敗し、強烈な悪臭を発します。
・歯根の化膿
虫歯が神経に達した後、さらに神経から細菌が侵入して歯根を化膿させます。
以上のように、口腔状態の悪化によってそれぞれで口臭を放つ要因が多くあります。
毎日歯磨きをしているにもかかわらず、このような口腔トラブルに悩まれている場合は、口腔ケアのやり方を一度見直してみる必要があります。
毎日の歯磨き以外にも注目したい!口臭の原因となる舌苔とは?
虫歯や歯周トラブルの他にも、口臭には舌の汚れである「舌苔(ぜったい)」が原因になっている場合があります。
舌苔とは、舌の表面に付着する苔状のような汚れで、細菌やプラーク、剥がれ落ちた粘膜などで構成されています。
毎日歯磨きをしていても、舌苔のケアを怠っているケースも多いため、口臭の原因として盲点になりやすいでしょう。
一般的に、口臭を放たない清潔な状態としては、白い舌苔がうっすら付着している状態です。
舌苔の付着には個人差がありますが、舌苔がびっしり付着して分厚くなっている状態であれば、舌ブラシなどの専用アイテムを使って汚れを取り除くことが望ましいでしょう。
舌苔のケア方法については、追って詳しくご説明していきます。
毎日の歯磨きは質が大事!基本を知ってやり方を見直そう
これまでに、口臭の原因となり得る様々な要素について詳しく見てきましたが、前述したように、まずは口腔環境を改善する歯磨きのやり方を見直してみることが重要です。
と言うのも、無闇にゴシゴシと磨いていても、問題のプラークがしっかり除去できていなければ意味がないからです。
歯磨きの以下の基本的なやり方や注意点をおさらいし、毎日注意深く実践してみてください。
①歯ブラシは「ペングリップ」で持つ
ブラッシング圧が強くならないように、鉛筆の持ち方で歯ブラシを持ちます。
②部位ごとに磨き方を使い分ける
・スクラッピング法:歯面に対して毛先を90度に当てて磨く方法で、歯の表面や噛み合わせ部(咬合部)に使う
・バス法:歯面に対し毛先を45度に当てて磨く方法で、歯と歯肉の間(歯頚部)に使う
③小刻みに磨く
プラークを取り除くために大切なのが、軽快に微振動させて磨くことです。
歯をきれいにしたい一心で、ゴシゴシと頑固に磨いてしまうと、かえって歯の表面や歯茎を傷つけてしまいます。
また、ゴシゴシと大きく動かす動作では、歯ブラシの毛先が倒れてしまい、表面に付着したプラークをしっかり除去することができません。
したがって、本体のブラッシング性能を損なわないように、毛先をきちんと歯面に当てて小刻みに磨くことが大切です。
歯ブラシだけではきれいにならない!デンタルフロスで汚れをカバー
前項では基本的な歯磨き方法をご説明してきましたが、毎日どんなにきれいに磨いていても、実は歯の汚れは全体の60%程度しか除去することができません。
と言うのも、どんなにブラッシング技術があっても、歯と歯の間の汚れには毛先自体が届かないからです。
実際に、歯ブラシでは除去できない歯間部は、最もプラークが溜まりやすく虫歯ができやすい部位と言え、ただ歯ブラシだけでケアしている以上は、口臭の原因を取り除くには不十分と言えるでしょう。
そこで歯ブラシとの併用で推奨されるアイテムとして、「デンタルフロス」が挙げられます。
デンタルフロスとは、細い繊維を束ねた糸状のフロスで、歯間部に通してプラークを取り除きます。
種類は主に2つあり、柄のついた「ホルダータイプ」、そして、必要な長さのフロスを指に巻き付けて使う「ロールタイプ」があります。
初心者には扱いやすいホルダータイプがおすすめでしょう。
一方、ロールタイプは扱うのにコツが必要ですが、ホルダータイプよりも断然経済的です。
歯ブラシとデンタルフロスを併用することができれば、全体のプラーク除去率を80%以上にまで上げることが望めるでしょう。
舌磨きで口臭対策!舌苔の除去手順と注意点
歯磨きのやり方に続いて、最後は舌苔の詳しい取り除き方を見ていきます。
注意したいポイントや手順をそれぞれご説明していきましょう。
【舌磨きの注意点】
・舌磨きは多くても1日1回
舌はデリケートな粘膜です。
口臭を消そうと1日に何度も繰り返し磨いてしまうと、粘膜が傷付くことで、かえって汚れがつきやすくなり、悪臭を放つようになります。
・専用の舌ブラシを使う
舌苔を適切に取り除くには、舌の汚れに特化した専用の舌ブラシを使用するのが望ましいです。
歯ブラシでは、十分に汚れを落とせないうえに、粘膜を傷つけてしまう恐れがあるため、避けたほうが良いでしょう。
【手順】
①鏡を見ながら、舌を前に突き出す
②舌ブラシを舌の奥に当て、「奥から手前」に引いて汚れを掻き出す
細菌が喉の奥へ行かないように、前後にゴシゴシ往復させず、一方向で磨きます。
汚れが舌ブラシにつかなくなるまで行いますが、決して強い力で磨くことは避けましょう。
以上のやり方を参考に、あくまでも毎日一度を上限に舌の口臭対策を心がけてみてください。
毎日の歯磨きを見直そう
自分では磨けていると思っても、実際にプラークを落とせていなければ意味がありません。
まずは、毎日の歯磨きのやり方を見直し、口臭の原因となる虫歯や歯周トラブルを防ぐことが大切です。
また、歯ブラシだけで完結せず、デンタルフロスや舌ブラシを併用して口臭対策をしていくことを心がけましょう。