寝る前の歯磨きを忘れた!夜に歯磨きをしないとどうなる?
歯磨き 2019.12.26夜の歯磨きを忘れた!とショックを受けている人の歯は幸せ
毎晩、寝る前に歯磨きをすることを習慣にしていても、うっかり忘れてしまうことがあると思います。
疲れていてウトウトしていたら朝まで眠ってしまい、目覚めたときに「昨日歯磨きを忘れた…」と後悔。
そんな経験がある方は、きっと日頃から歯磨きをしっかり行っているのでしょう。
忙しかったり外泊したりして、いつもよりも短時間で雑に磨いて睡眠をとり、次の日に「早く歯を磨きたい!」と思うこともあるかもしれません。
ご存知かと思いますが、夜の歯磨きは大事なことです。
睡眠中は、口内の自浄作用が低下します。
抗菌作用のある唾液が減った状態で、細菌が繁殖しやすい環境になっているのです。
夜歯磨きができなくても、口をゆすぐくらいはしておくと良いでしょう。
歯磨きを忘れたら大変!歯垢がどれだけ汚いか
夜寝る前に歯磨きを忘れたからといって、健康な歯がすぐに虫歯になるわけではありません。
しかし、歯垢(プラーク)が溜まって細菌が繁殖し、不潔な状態になるでしょう。
口の中の細菌は糖分をエサに増えていき、ネバネバの物質を出します。
細菌とネバネバ物質の塊が歯垢なのです。
食べたものが付着しているわけではなく、細菌の集合体による汚れが歯垢なので、非常に汚いということがお分かりいただけるでしょう。
歯垢ができる時間ははっきりと断定することはできませんが、8時間前後でできると言われています。
たった1mmに数百種類、1億以上の細菌がいて、乳酸を作り出しています。
乳酸によって歯垢が酸性になり、歯の表面が溶けていき、虫歯になってしまいます。
虫歯を放置していると痛みが続きますし、大切な歯が失われるおそれもあるでしょう。
それだけでなく、歯周ポケットが深くなったり口臭がきつくなったり、毒素が増え続けて全身に悪影響を及ぼすこともあります。
夜に歯磨きを忘れるというのは、体にとって危機的な状況の第一歩です。
夜の歯磨きを忘れても虫歯になりにくい人・なりやすい人
健康で虫歯ができにくい方であれば、夜に歯磨きを忘れたとしても、次の日にしっかりと歯磨きして歯垢を取り除けば問題ないでしょう。
デンタルフロスや洗口液などをフル活用して、歯磨きしなかった夜を「なかったこと」にするのです。
しかし、虫歯になりやすい方もいます。
虫歯菌の多さは人によって違い、多い方は毎日2回磨いていても虫歯になることがあります。
食生活も影響するでしょう。
甘いものが好きで間食の多い方は、歯が溶けやすい状態が長く続いています。
夜にケーキやチョコレートを食べて歯磨きせずに寝てしまったら、長時間酸性になっていた口の中がどうなっているか、想像するだけでも恐ろしいですね。
さらに、唾液の量にも影響します。
唾液が少ない方は虫歯になりやすく、進行するのも早いと言われます。
虫歯になりやすいことに心当たりがある方は特に、就寝前の歯磨きを忘れないほうが良いでしょう。
また、寝る前に歯磨きした後は水かお茶を飲むだけにして、何も食べずに寝るようにしてください。
夜の歯磨きを忘れた分、朝しっかり磨こう!デンタルフロス・鏡も使う
夜、歯磨きを忘れたまま寝てしまったら、口の中は歯垢でネバネバしているかと思います。
舌で前歯の表側などをなぞってみると、おそらくネバつきに気がつくでしょう。
朝の歯磨きでは、こうしたネバネバだけを落とせばいいのではなく、細かい部分まで磨くことが大切です。
虫歯になりやすい部分として挙げられるのは、
・奥歯のかみ合わせ
・側面のシワ
・歯の根元
・歯と歯の間
・抜けた歯の周辺
・歯並びが悪いところ
などです。
細かいもので丁寧にこすらないと取りにくい部分ですね。
歯の根っこの近くの虫歯も厄介です。
目立ちにくく、深く進行するまで痛みが出にくいからです。
歯ブラシでしっかり磨き、その後にデンタルフロスで除去しましょう。
しっかり磨くと言っても、力いっぱいゴシゴシ磨くのはやめましょう。
口の中は、長時間酸性に保たれたことと、菌が大量繁殖していることで、デリケートな状態になっていると考えられます。
歯垢は力で磨くよりも、細かい振動を同じところに加えて、やさしく磨くほうが効果的だとされています。
デンタルフロスも、歯ぐきに食い込むほど力いっぱい使用するのはおすすめできません。
歯垢が取り除けているか不安なら、染めだし液を使って磨き残しをチェックしてみてください。
歯磨きを忘れたらできる歯石も取り除こう
夜に歯磨きを忘れたとしても、朝しっかりと磨けば落とせる汚れはあります。
しかし、落ちない汚れもあります。
それは歯垢ではなく、歯石になっている可能性が高いです。
歯石というのは、ザラザラした黄色っぽい汚れで、歯垢が石灰化してしまった部分です。
デンタルフロスを使っていて、いつもはスムーズに通る隙間が引っかかるように感じたり、ザラつきを感じたりすることもありますが、それも歯石かもしれません。
似たものに、初期虫歯が原因で起こるホワイトスポットがあるので、歯科で見てもらわないと判断できませんが、歯石は放置せずに取り除くことをおすすめします。
歯石を放っておくと、虫歯になりやすくなったり、歯ぐきが弱くなったりするでしょう。
口臭の原因にもなります。
歯石は歯垢とはちがい、かたい歯ブラシで磨いても、丁寧に何回もブラッシングしても落ちません。
歯科で除去してもらって、虫歯を予防しましょう。
歯石は自分で取れる?おすすめできない理由
歯磨きを忘れたことなどが原因となり、歯石ができてしまうことも多いでしょう。
歯石は虫歯とはちがい、歯の表面にできていて痛みもないため、自分で除去したいと考える方もいるようです。
しかし、自宅での歯石除去にはリスクがあります。
ガリガリと削っているときに、歯ぐきを傷つけてしまったり、歯の表面必要以上に傷つけてしまったりして、逆効果になるおそれがあります。
歯科では超音波を利用してきれいに取り除くことが可能ですが、自宅でそのような設備を使うことはできません。
市販されているスケーラーやデンタルフロス、デンタルミラーなどを使って歯石の除去をされることもあるようですが、正しいケアができるとは限りません。
したがって、自分の判断で歯石だと考え、慣れない手で取り除くのはやめましょう。
自分では歯石や虫歯が見つからなくても、歯科医には細かい部分まで見えますので、歯磨き不足だと感じたら歯科へ行って検診を受けてください。
夜、歯磨きを忘れる日が続くようなら、痛みがなくても受診することをおすすめします。
歯だけではなく、歯ぐきの状態まで分かりますし、虫歯を予防することができるでしょう。
ぜひ、定期的に歯科へ行く習慣をつけてください。
歯磨きを忘れたら早めにしっかり磨こう!
歯磨きを忘れた翌朝は、いつもより入念に磨きましょう。
歯ブラシを、細かく角度を変えてすみずみまで届くようにブラッシングし、デンタルフロスで汚れをかき取ってください。
フッ素入りの歯磨き粉を使用したら、口をゆすぐのは控えめにするといいでしょう。
ただ、虫歯になりやすい方もいますので、不安なら歯科へ行って見てもらうことをおすすめします。