赤ちゃんの歯磨きやうがいはいつから始める?歯磨きのいろは
オーラルケア 2019.09.16赤ちゃんの歯磨きはいつから始める?習慣づけと歯磨き方法
歯の健康を守るための歯磨きやうがいは、赤ちゃんの成長に合わせてだんだんと習慣づけていかなければなりません。
まずは、いつから歯磨きをスタートするのか、赤ちゃんの成長を踏まえながらそのタイミングについて知っていきましょう。
結論から言うと、赤ちゃんの歯磨きは、歯の生え始めるタイミングにスタートすることが推奨されます。
まず、赤ちゃんの成長はそれぞれ個人差がありますが、おおむね生後6か月頃から前歯が生え始めます。
一般的には、下の前歯から順番に生え始め、2~3歳ごろになると奥歯まで乳歯が生え揃います。
「前歯2本出てきたくらいで歯磨きをする必要はないだろう」と考える方は多くいるかもしれませんが、生え始めに歯磨きを始める目的は、なにも歯垢や歯の汚れを落とすためではなく、「歯磨きの習慣をつける」ことが目的です。
と言うのも、赤ちゃんにとって口内を触られることは気持ちの良いものではないため、なるべく早いうちから「歯磨き」という行為に慣れさせていくことが重要になるのです。
ただ、歯磨きと言っても、歯ブラシを使って歯を磨くわけではありません。
歯が生え始めたうちは、ガーゼを使って歯の表面を軽く拭いてあげることから始めます。
生え始めの頃には歯茎のむず痒さを感じるため、それを和らげるように歯茎全体をなでるように拭いていくことがおすすめです。
「歯磨き=楽しい」と認識させるために、コミュニケーションの一環として楽しく歯磨きをしていきましょう。
子ども用の歯ブラシはいつから?歯磨きの練習も本格的に
生後10か月を過ぎた赤ちゃんは、母乳や粉ミルクから離乳食を口にする機会が増えていきます。
この頃から、赤ちゃん用の歯ブラシに移行し、さらに歯ブラシに慣れさせていきます。
では、赤ちゃん用から子ども用の歯ブラシに移行するのは、いつからが良いのでしょうか。
前述したように、乳歯列が完成するのは2~3歳頃なので、そのタイミングを目安として子ども用の歯ブラシに移行するのが望ましいでしょう。
また、この時期から歯磨きの練習も本格的に行っていきます。
歯ブラシの持ち方や磨き方など、一緒に歯磨きをしながら細かく教えていきますが、ポイントはうまくできたら必ず褒めることです。
「歯磨きは褒めてもらえる、嬉しいものだ」という認識を持たせることで、積極的な歯磨きに促すことができるでしょう。
ただし、まだ歯磨きがうまくできるわけではないので、親がきちんと仕上げ磨きをしてあげてください。
また、うがいの練習もこのタイミングでスタートします。
次項からうがいの練習について見ていきましょう。
歯磨き後のぶくぶくうがい!いつから・どのように練習する?
歯磨き後に口をゆすぐぶくぶくうがいは、口内の細菌や食べカスを洗い流し、口腔環境を清潔に保つために行うものです。
子どもの成長に差こそあれど、3歳で約半分、4歳で約75%の子ができるようになるとされています。
乳歯列は2~3歳で完成するので、子ども用歯ブラシに移行するタイミングでうがいの練習も始めていきます。
では、ぶくぶくうがいの練習方法について段階的に以下で見ていきましょう。
ステップ①:口に水を含み、「ベー」や「ぺー」など、声を出してそのまま吐き出す
ステップ②:口に水を含んだまま、数秒間(3秒ほど)キープさせ吐き出す
ステップ③:口に水を含み、頬を同時に・交互にぶくぶく動かして吐き出す
上記の段階的なステップは、いずれも親がお手本となり、子どもに真似させる模倣練習を行います。
言葉では伝えづらいため、まずはやり方を見せながら誘導してください。
最初からうまくはいかないので、焦らずゆっくり練習を積み重ねていきましょう。
また、うがいと言っても、ぶくぶくうがい以外にも、喉を洗浄するガラガラうがいというものがあります。
少し難易度が上がるガラガラうがいはいつから始めるのか、次項でご説明していきましょう。
喉をきれいにするガラガラうがい!練習はどう行う?
歯磨きとセットになるぶくぶくうがいに加え、うがいには手洗いとセットとなるガラガラうがいがあります。
喉を鳴らすガラガラうがいは、喉の粘膜に付着した細菌を洗浄し、同時に粘膜機能を活性化することで感染の予防効果を得ることができます。
特に幼児の場合、好奇心旺盛な分、いろんなものを触って口に入れたりするため、うがいの習慣は重要な感染対策です。
比較的簡単なぶくぶくうがいに比べ、ガラガラうがいは難易度が高い動作で、3歳で約25%、4歳で約50%、5歳で約75%の割合でできるようになると言われています。
いつからという明確なラインはないですが、だいたい5歳くらいまでにマスターできるように、ぶくぶくうがいができるようになった後に練習していくと良いでしょう。
では、ガラガラうがいの練習方法を以下で見てきましょう。
ステップ①:水を口に含んで、そのまま上を向く(鼻咽腔閉鎖)
ステップ②:水を口に含んで上を向き、口を開けて息を出す
息は軽く吐く程度で、ゴロゴロと喉が鳴るくらいで良いでしょう。
ステップ③:誤嚥や嚥下反射がなければ、そのまま強く息を吐いてガラガラと鳴らす
ぶくぶくうがいと同様に、親がお手本を見せながら子どもに真似てもらいます。
子どもには難しい動作なため、毎日少しずつ練習して感覚を掴んでいきましょう。
ぶくぶくうがいをマスターしたら!いよいよ歯磨き粉を使ってみよう
これまでに、赤ちゃんの歯磨きやうがいをいつから・どのように始めるのか、詳しくお話ししてきました。
歯磨きとぶくぶくうがいがセットでできるようになったら、いよいよ歯磨き粉を使った歯磨きにステップアップしていきます。
ただし、ぶくぶくうがいがマスターできないうちは、歯磨き粉を誤嚥・誤飲してしまう可能性があるため、無理に使うことは控えた方が良いでしょう。
子ども用の歯磨き粉を選ぶ上では、いくつか押さえたいポイントがあるのでチェックしておきましょう。
・フッ素入り
乳歯は、永久歯と比べるとエナメル質が薄く、虫歯への抵抗力もないため、一旦虫歯になると重篤になりやすい特徴があります。
そのため、フッ素入り歯磨き粉を使って、虫歯予防をしていくことが望ましいでしょう。
・発泡剤不使用
発泡剤によって泡が立ってしまうと、磨けてなくても磨けた気になりがちです。
また、泡立ちによって歯に付着した歯垢が見えづらくなるため、できるだけ発泡剤が入っていないものを選びましょう。
・好みのフレーバー
子ども用の歯磨き粉には、定番のいちご味やメロン味から、りんご味、ぶどう味など様々なフレーバーがあります。
子どもの好みに合わせてフレーバーを選んだり、いくつか選んでローテーションして使うのも良いでしょう。
子ども用の歯磨き粉は、ドラックストアなどで入手することができますが、歯科医院で販売されているものを選ぶのもおすすめです。
アドバイスを受けることもできるので、ぜひかかりつけの歯科医院でもチェックしてみてください。
歯医者での定期検診も大切!不安になったら相談へ
家庭での歯磨きやうがいの練習は、習慣づけるセルフケアとして大切ですが、赤ちゃんの歯を守るためには小児歯科での定期検診も大変重要です。
と言うのも、前述したように、赤ちゃんの歯は柔らかく虫歯への抵抗力も弱いため、あっという間に虫歯が進行してしまいます。
また、虫歯になった歯だけでなく、隣接する歯にまで広範囲に広がるため、虫歯になったらできる限り早期治療をすることが望まれます。
乳歯はいずれ抜けてしまいますが、乳歯の虫歯を放置することで、将来的に生えてくる永久歯の質や形、生える位置にも影響を及ぼすことがあります。
そのため、小児歯科での定期検診は、歯科予防や早期治療の両面から見ても非常に重要と言えます。
では、いつから定期検診に通うのが良いのかといえば、乳歯が生え始めたタイミングです。
虫歯になる前に歯磨きのアドバイスを受けることもできますし、赤ちゃんも早いうちから歯医者に慣れることができます。
乳歯が生えてきたら、まずは一度小児歯科に行ってみるのが良いでしょう。
焦らずじっくり練習を積み重ねよう
赤ちゃんの成長はそれぞれに差があり、その成長に合わせて歯磨きやうがいの練習も始めていきます。
初めてのことで戸惑ってしまうかもしれませんが、焦らずじっくりと子どもの歯と向き合っていくことが大切です。
赤ちゃんの歯磨きに不安がある場合は、小児歯科で相談してみることをおすすめします。