デンタルフロスや歯間ブラシで汚れを一掃!効果的な歯磨きを
デンタルフロス 2019.09.09歯ブラシだけでは全ての汚れは落とせない?
毎日歯磨きをしていても、実は虫歯になるリスクはゼロとは言えません。
と言うのも、歯ブラシだけでは全てのプラーク(歯垢)を取り除くことは難しく、全体の60%程度しかプラークを除去できないことが分かっています。
つまり、歯磨きの上手な人がどんなに徹底して歯磨きをしても、歯ブラシだけでは必ず磨き残しが出てきてしまうのです。
では、残りの40%の磨き残しがどこにあるのかというと、虫歯のできやすい「歯と歯の間」「歯周ポケット」「奥歯の溝」にあります。
中でも、歯ブラシの届かない歯と歯の間はプラークが溜まりやすく、目視だけでは虫歯に気付かないこともあり、知らぬ間に虫歯が進行していることが多い場所と言えます。
そこでそんな磨きづらい歯の汚れをカバーするのが、デンタルフロスや歯間ブラシなどの補助道具です。
デンタルフロスと歯間ブラシの違いは?
近年では、様々なタイプの補助道具が登場していますが、掃除道具を部屋の場所によって使い分けるように、歯の部位に合わせて補助道具を使用します。
では、補助道具として代表されるデンタルフロスや歯間ブラシは、一体なにが違うのでしょうか。
まずは、デンタルフロスについて見ていきましょう。
デンタルフロスとは、歯と歯の間のプラークを除去するために使うフロスで、虫歯を予防する補助道具です。
種類には「糸巻きタイプ」と「ホルダータイプ」があり、初めて使う方には持ち手のあるホルダータイプがおすすめされます。
それに対し、歯間ブラシは、歯と歯茎の間に溜まったプラークを除去する毛先の細長いブラシで、歯周病を予防する補助道具です。
また、歯間ブラシは歯と歯茎の間が狭い若年層には向いておらず、歯茎が下がりがちな高年層に推奨されています。
前述したように、歯ブラシだけでは60%しかプラークを取り除けませんが、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、80~90%近くの汚れを除去することができるのです。
目的が異なるグッズですが、いずれにしても歯ブラシだけでは落ちないプラークをカバーするため、自分に合った補助道具を使うことがおすすめされます。
デンタルフロスや歯間ブラシで歯のトラブルを早期発見
デンタルフロスや歯間ブラシを使うことは、プラークを除去するだけでなく、虫歯や歯周病の早期発見にも役立ちます。
と言うのも、歯ブラシが届かない分、補助道具を使用することで初めて違和感に気付くからです。
特に、デンタルフロスは症状に気付きやすいため、使う際は以下の点をよくチェックしておくと良いでしょう。
・デンタルフロスが同じ箇所で引っかかる、もしくはすぐ切れる
歯の詰め物が合っていなかったり、虫歯がある可能性があります。
毎回同じ症状が続くようであれば、歯科医院に受診することをおすすめします。
・デンタルフロスや歯間ブラシを使うと出血する
歯茎にプラークが蓄積され、歯周病菌が炎症を起こしている疑いがあります。
ただし、不適切なやり方で補助道具を使っていない限りは、出血することは問題ではありません。
継続して歯磨きを徹底し、デンタルフロスや歯間ブラシを続けていけば、やがて歯周病が改善されます。
この他にも、使用後の補助道具が臭う場合がありますが、適切な使い方で継続していれば、臭いも治まるでしょう。
デンタルフロスの適切な使い方!コツと注意点
これまでに、デンタルフロスや歯間ブラシの効果についてお話してきましたが、このようなメリットを享受するには、それぞれの使い方やコツ、注意点をしっかり押さえた上で使用することが大切です。
まずは、デンタルフロスの使い方を見ていきましょう。
【ホルダータイプ】
①鏡でよく確認しながら、歯と歯の間にフロスを入れていきます。
②ノコギリを引くイメージで、ゆっくりと前後に引いて中まで入れていきます。
このとき、力任せに頑固に入れると歯肉を傷付けてしまうので注意してください。
③歯の面に沿うように、上下にゆっくり動かしながらプラークを取り除いていきます。
【糸巻きタイプ】
①フロスを40~50cm程度に切り、その両端を両手の中指に2.3回巻き付けます。
フロスの間隔は15cmを目安に巻き付けると使いやすいでしょう。
②フロスがピンと張った状態で、両手の親指と人差し指で糸をつかみ操作します。
③ホルダータイプと同じように、歯と歯の間に入れてプラークを取り除いていきます。
両者とも、歯茎を傷つけないようにゆっくり行うことがポイントです。
また、基本的にいずれも使用後に破棄しますが、ホルダータイプには洗って何回か使いまわせるタイプもあります。
購入する際は、よく説明書きを読んでから選ぶようにしましょう。
歯間ブラシの使い方とコツ!効果的なプラーク除去を
デンタルフロスの使い方が分かったところで、次に歯間ブラシの適切な使い方についてご説明していきましょう。
前述したように、歯間ブラシは歯と歯の間が広い場合や、歯茎下がりを起こしている歯、また、矯正装置に溜まったプラークを取り除くのに適しています。
①鉛筆を持つように歯間ブラシを持ちます。
②歯と歯の間にゆっくりと入れていきます。
ブラシ部分には金属ワイヤーが使われているため、歯茎を傷つけないように注意してください。
③歯面を沿うように、2.3回往復させてプラークを取り除きます。
使用後はブラシ部分をよく水洗いし、しっかりと乾燥させて細菌の繁殖を防ぎます。
何回か使用していると、ブラシの毛先が乱れてくるため、新しいものと交換しましょう。
また、歯間ブラシは様々な大きさが販売されているので、歯の隙間の大きさに合わせてサイズを選ぶようにしてください。
補助道具は歯磨きがきちんとできてこそ!歯磨き方法を見直そう
デンタルフロスと歯間ブラシで、より安全に・効果的にプラークを除去する使い方をご紹介してきました。
これらの補助道具を歯磨きと併用することができれば、口内のほとんどのプラークをコントロールすることができます。
しかし、それはあくまでも歯ブラシによる歯磨きがしっかり行われている場合に限ります。
つまり、歯磨きがおざなりで磨き残しがあっては意味がなく、きちんと磨けることで初めて補助道具の効果が実るのです。
では最後に、歯の部位によって適切な歯磨き方法をおさらいしておきましょう。
・前歯
歯ブラシを縦にし、歯面に対して垂直にあてて磨いていきます。
歯ブラシは微振動させるように、軽快に細かく動かしてください。
・奥歯
特に汚れが溜まりやすい歯と歯肉の間には、歯ブラシを斜め45度の角度であて、微振動させてプラークを除去していきます。
また、噛み合わせ面もプラークが残りやすいので、1本1本丁寧に磨いていきましょう。
以上が、適切な歯磨きのやり方です。
ただし、プラークを落としたいからといて、強い力でゴシゴシと磨いてしまうと、歯の表面や歯肉を傷付けてしまいます。
力加減に注意し、磨くというより細かく動かすことを意識しましょう。
毎日の歯磨きケアにプラスしよう
デンタルフロスや歯間ブラシを使ってみると、予想以上にプラークがとれるため、歯ブラシの限界に気付かされます。
そんな汚れを長い間放置してしまえば、いずれは口腔トラブルに繋がることも想像に難くありません。
ぜひ毎日の歯磨きケアとして取り入れて、一生の歯を健康に保っていきましょう。