小臼歯を抜歯したら小顔になれる?老け顔になる可能性も!?

歯科矯正 2019.06.12

歯列矯正をするとき、大抵の場合、小臼歯を抜歯します。

抜歯をすると、顔がスッとして小顔になると言われています。

その一方、抜歯をすると老け顔になるという声も少なくありません。

本当のところはどうなのか、調べていきましょう。

そもそも小臼歯ってどの歯?役割は?

永久歯は左右対称に生えており、全部で28本(親知らずを含めると32本)あります。

前歯中心の歯から奥に向かって順に、

・中切歯(ちゅうせっし)
・側切歯(そくせっし)
・犬歯(けんし)
・第1小臼歯(だいいちしょうきゅうし)
・第2小臼歯
・第1大臼歯
・第2大臼歯
・第3大臼歯(※親知らず)

という名前がそれぞれについています。

前歯である中切歯と側切歯は、食べ物を噛み切る役割をし、奥歯である小臼歯と大臼歯は食べ物をすり潰す役割を担っています。

犬歯は食べ物を引き裂く役割を持つと同時に、歯の噛み合わせに重要な役割を持っています。

それぞれの歯には大切な役割があるので、どの歯をとっても抜歯して良い歯なんてありません。

そのため、本来ある歯を残したいことから抜歯をせずに、歯列矯正を行う歯科医院もあります。

しかし、上下左右の第1小臼歯を抜歯する歯科医院や矯正歯科が多いことは事実です。

では、4本も抜歯することが、小顔になることに繋がるのでしょうか?

小臼歯を抜歯する理由は?本当に小顔になった?

歯列矯正をする理由は、人によってさまざまですが、

・八重歯がある
・歯並びが悪い
・前歯が反っている(出っ歯)

などの理由の場合、あごに対して歯の収まるスペース足りないので、小臼歯を抜いて歯をきれいに並べるスペースを作ります。

では、なぜ小臼歯を抜歯するのでしょうか?

先述したとおり、それぞれの歯にはそれぞれの役割があるので、抜いて良い歯なんてありません。

しかし、それでもどれかの歯を抜かなくてはならないとなった場合、前歯と奥歯の中間に位置し、歯の大きさが小さく、食べ物をすり潰す役割の少ない第1小臼歯(または第2小臼歯)が抜歯される場合がほとんどです。

そして歯列矯正とは、歯全体を左右対称に美しく、なおかつ噛み合わせを整えるのが目的なので、上下左右同じ位置の小臼歯を全て、合計4本抜歯します。

今まで口の中にあった4本の歯を抜くのですから、口の中の容積が減り、頬のあたりがスッとして、小顔になったように見えるのです。

小臼歯を抜歯して小顔より老け顔になった理由

小臼歯を4本抜歯するので、頬のあたりがスッとするのは事実です。

ただそれは小顔というよりも、頬がやせたという感じです。

小顔になったわけではありません。

また人によっては、

・あごが尖った
・頬がこけた
・老けた

と、マイナスな印象を持つ人も少なくありません。

それでは、元々頬がふっくらとしていた人は、抜歯したことにより頬がスッとして、小顔になってきれいになったかというと、そうでもありません。

今まで支えられていた頬の肉が、口の中の歯の容積が小さくなることにより支えきれなくなり、たるんでしまいます。

たるんだ頬は、口元のほうれい線になります。

丸くてふっくらとした頬は、若くみられる特徴の一つですが、抜歯の影響で頬はたるみ、ほうれい線ができ、一気に老けてみられることが多いようです。

小顔ではなく老け顔になったもう1つの理由

小顔になるために小臼歯を抜歯するわけではなく、あくまで歯列矯正のために抜歯をしているのですから、小顔にならなくても受け入れなければなりません。

ただ、小臼歯を抜くことにより、老け顔になるのは避けたいところです。

実は、ほうれい線がくっきり出現したり、頬がたるんだりするのは、口の中の容積が小さくなったことだけが原因ではありません。

歯列矯正は、動かしたい歯にワイヤーを引っかけ、強い力で引っ張ります。

また、矯正が進むと上下の歯に輪ゴムを引っかけ、上下の歯を正しい位置に移動させようとします。

口の中は常に強い力がかかっているので、痛みを伴います。

満足に口は開かず、食事を摂ることも容易ではありません。

そんな状態が2~3年も続くのです。

そして、矯正期間中は、口を大きく動かすことができないのです。

口を大きく動かすことができないと、口の周りの筋肉が衰えるので、ますます口元がたるんでいきます。

口の周りの筋肉を鍛えることによるアンチエイジングが流行っていますが、歯列矯正をしていると、それだけで口の周りの筋肉は衰えていくのです。

小臼歯を抜歯してもトレーニングで小顔になれる

実は、小臼歯を抜歯したことによる歯列矯正で、ほうれい線や頬のたるみに悩んでいる人は意外にたくさんいます。

そうした声を受けてか、歯列矯正を行うのと並行して、口の周りの筋肉を鍛えるトレーニングを指導する歯科医院や矯正歯科も増えてきました。

また、カイロプラクティックや整体でも、歯列矯正による頬のたるみや顔の歪みを改善する施術を行っているところもあります。

口の周りの筋肉を正しいトレーニングで鍛えることで、頬のたるみを改善するだけでなく、矯正期間の短縮につながったり、矯正後の後戻りを防ぐこともできます。

もちろん、歯列矯正をしていなくても、口周りの筋肉を正しいトレーニングで鍛えることにより、頬の肉がリフトアップして小顔になる効果も期待できます。

矯正をしている人は、まずは受診している医院に口元のトレーニング方法があるかを尋ねてみましょう。

口の周りの筋肉を鍛えて小顔になる

顔の筋肉の70%は口の周りにあるといわれています。

ということは、口の周りの筋肉をトレーニングで鍛えることにより、顔のたるみが改善されて、引き締め効果によって小顔になれると言っても過言ではありません。

そこで、口の周りの筋肉を鍛える方法を、3つご紹介いたします。

・割り箸をくわえる

割り箸を横にくわえて、「い」の口で口角を上げて、30秒キープします。

このとき割り箸は、奥歯でしっかりと噛んでください。

簡単そうに思えますが、慣れるまでは疲れますので、最初は短く、徐々に時間を伸ばしていくと良いでしょう。

・「あいうえお」を言う

大きな口で「あ・い・う・え・お」と言います。

実際に声を出さなくても良いですが、口の形や顔全体が動いているかを意識しましょう。

鏡を見て、確認しながらすると良いですね。

・ぎゅーっと、ぱーっと

顔の全てのパーツを顔の中心に集めるように、ぎゅーっと顔をしぼませます。

目はつぶり、眉間や鼻頭や口元にシワが寄る感じです。

次に、顔の全てのパーツを全て解き放つように、ぱーっと広げます。

目も口も大きく開きます。

この他にも、さまざまなトレーニング方法がありますが、小臼歯を抜歯するなどの歯列矯正をしていると、器具が擦れて口内炎になることもあります。

どのようなトレーニングでも、無理をせず、継続することが大切です。

美しい歯並びも小顔も手に入れよう

歯列矯正のために小臼歯を抜歯すると、口内の容積が小さくなるため、頬がスッとして小顔になります。

ただしその分、頬の肉が下がり、たるみやほうれい線が目立つ、老け顔に見える要因になりかねません。

また、口内に矯正器具をつけているので、口の動きが少なくなり、口の周りの筋肉が衰えてしまいます。

しかし、口の周りの筋肉を鍛えることで、美しい小顔になることも十分可能です。

美しい歯並びと小顔の両方を手に入れてくださいね。

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