奥歯が乳歯から永久歯に変わる!横から生えるのは問題ない?
歯の生えかわり 2018.10.08乳歯の生え変わりは何歳?奥歯の一番後ろの第六臼歯とは?
横から永久歯が生えてくる理由などをお話しする前に、乳歯についてお伝えします。
最初に、乳歯から永久歯に生え変わるのは何歳くらいだと思いますか。
大体、永久歯に生え変わり始めるのが、5歳から6歳くらいといわれており、殆どの人が奥歯の一番後ろの「第六臼歯」がそっと生えてきます。
乳歯の奥に、いつの間にか生えていることが多いため、気がつかないことが殆どだとされています。
この第六臼歯は、最も噛み砕く力の強い歯とされており、永久歯の歯並びを含め、嚙み合わせにも重要な「基本となる歯」といわれています。
第六臼歯が完全に生え終わるのは、大体1年程度の期間が必要で、その手前の乳歯よりも背が低い状態が続きます。
そうなれば、歯磨きがしにくいため、とても虫歯になりやすい時期とされています。
また、生え始めた永久歯は、生え終わって数年経過した永久歯に比べて柔らかいため、磨き残しのない歯磨きが求められます。
5歳から6歳くらいに生え変わり、13歳から14歳くらいには、全ての乳歯が永久歯にかわるのが一般的です。
乳歯と永久歯の違いは何?
それでは、乳歯と永久歯の根本的な違いは、どんなことが挙げられるのでしょうか。
歯の仕組みとしては、永久歯も乳歯も大きな差はありません。
しかし、永久歯はもう生え変わることがなく、抜けない限り使い続ける歯であるため、乳歯に比べてとても頑丈です。
永久歯のエナメル質と象牙質の厚みを計測すると、乳歯と比べて2倍もの差があるといわれています。
また、乳歯が完全に生えきった本数は、20本とされています。
それに比べて、永久歯になると、奥歯の更に隣に生える「親知らず」も含めると32本にまで本数が増えるのです。
これまで、乳歯についてや、永久歯との違いなどをお伝えしてきました。
しかし、永久歯が生えてくる時に、横からなど、ちょっと変わったところから生えてしまう人もいるようです。
次項からは、永久歯の生える場所についてお伝えします。
奥歯の永久歯が横から生えてきた!歯並びが悪くなってしまうの?
前項でもお伝えしましたが、一番初めに生えてくるといわれているのが奥歯の1つ、第六臼歯です。
この第六臼歯を含め、乳歯が生えているところへ、徐々に永久歯が顔を出し始めます。
その際に、乳歯がなかなか抜けずに、横からや、後ろから永久歯が生えてしまうケースも少なくありません。
お子さんの歯が、ちょっと変わったところから生えてきたら、「将来の歯並びが心配だ」と考える人もいることでしょう。
ところが、永久歯の場所がちょっと変わったところに生えてきてしまうのには理由があるのです。
本来、永久歯は乳歯の側面を伝うように、乳歯に沿って生えてきます。
その際に、永久歯が生えるのを「乳歯がせき止めてしまっている」という訳ではありません。
スペースのある場所に生えようとしているために、乳歯の横からなど、変わった場所から生えてくることがあるのです。
永久歯が生えると、舌や唇の内側によって歯に掛かる圧力により、吊り合いの取れる場所に向かって移動する傾向にあります。
その圧力が続くことで、先行して生えている乳歯がグラグラしてきて、永久歯の成長と共に抜け落ちます。
乳歯が抜けた隙間に、生えてきた永久歯の入る隙間があれば、舌と唇の内側の圧力によって綺麗に並ぶといわれています。
この隙間が上手く作れなかった場合や、口の中の圧力のバランスが不安定になると、歯並びに影響してくる可能性も高くなるとされています。
そうなれば、歯科矯正などをおこなう必要も出てくるということです。
横から生えた永久歯のためなど乳歯を抜くいくつかの理由
それでも、歯医者によっては、歯の成長のために乳歯を抜いてしまうこともあります。
先ほどもご説明しましたが、乳歯が生えていたところに永久歯が並ぶのが歯の仕組みであり、舌や唇の内側の圧力が加わり、隙間を見つけてゆっくり移動します。
そのため、奥歯や他の歯が、横から生えてきているなどの理由から乳歯を抜いてしまったとしても、同じような原理で考えると、乳歯を抜いても抜かなくても同じといえるでしょう。
一方で、乳歯を抜いた方がよい場合もあるのです。
【重度の虫歯になっている】
乳歯は永久歯よりも柔らかく、虫歯の進行もとても早いとされています。
虫歯の進行が余りに重度の場合、治療をするとなると強烈な痛みを感じることもあるため、麻酔をして抜歯してしまうこともあります。
【永久歯が生えたのに乳歯が残っている場合】
永久歯が生えたのにも関わらず、長期に渡って乳歯が残っている場合も、乳歯を抜いた方がよいとされています。
通常は、乳歯がグラグラして抜けていくはずが、乳歯と永久歯で二重になったまま変わらないという場合は、食べカスが詰まってしまって磨きにくい上に、虫歯になりやすいことからも、抜歯を推奨しています。
【歯の下に膿が溜まっている】
乳歯の下が化膿してしまい、膿が溜まっている場合、歯を抜いた方がよいというケースもあります。
膿を出さなくてはならなくなるので、「必然的に乳歯を抜歯する」という歯医者は多いといわれています。
横から永久歯が生えてるから自分で乳歯を抜きたい!奥歯などの嚙み合わせに影響は?
一方で、お子さんの乳歯がグラグラしていると、思い切って自宅で歯を抜いてしまいたくなる人もいることでしょう。
もしも、グラつく歯を「気になるから」と優しく触っていて、なんらかの拍子にポロっと抜けてしまったのなら問題はあまりないとされています。
しかし、無理矢理力を込めて抜いてしまうと、歯根だけが残って折れてしまったり、強い痛みを伴ったり、最悪の場合、神経を傷つけてしまうことになりかねません。
また、それだけでなく、咀嚼のバランスも崩れやすくなり、顎の発育に影響が出ることすら考えられます。
特に奥歯は、強い力で嚙み合わせるので、バランスが崩れると消化にも影響が出てしまう可能性も考えられます。
「横から永久歯が見えているから」「こんなにグラグラしているのだから」という理由で、むやみに抜いてしまうのは避けましょう。
どうしても気になるのであれば、無理をしないで、歯医者で相談するようにしましょう。
乳歯から永久歯に生え変わる時にオススメの歯磨き粉
最後に、乳歯から永久歯に生え変わる際にオススメしたい歯磨き粉をご紹介します。
上下の歯がきちんと生え揃うまでの間は、虫歯になりやすい傾向にあります。
子供の歯の成長と成長に合わせて、適切な歯磨き粉を選ぶとよいでしょう。
●花王:クリアクリーン キッズ
乳歯から永久歯への生え変わりに、是非使いたい歯磨き粉です。
虫歯を防ぐとされているフッ素が配合されているのに加えて、キシリトール入りなので歯に優しいです。
泡立ちも控え目なので、奥歯や永久歯が横から生え、乳歯と二重に生えている場所など、見えにくい部分も確認しやすくなります。
ソフト顆粒が、歯の隙間の歯垢もすっきりと落としてくれます。
クリアクリーン キッズと併せて使ってもらいたいのが、同じ花王から販売されている歯ブラシです。
3歳から8歳向け・7歳から12歳向けがあり、歯の生え変わりの時期や、永久歯の成長によって歯ブラシを合わせられます。
生えたての永久歯を大切にしよう
乳歯から永久歯に生え変わったら、もう二度と新しい歯に生え変わることはありません。
乳歯にもいえることですが、永久歯が生え始めたら、更に大切にしていく必要があります。
健康な歯を守るために、毎日のオーラルケアを丁寧におこないましょう。