【歯磨き】電動歯ブラシは手磨きより優秀?大事なのは磨き方
歯磨き 2020.02.29電動歯ブラシは手磨きより歯磨きの効果が高い?
電動歯ブラシは、先端のヘッド部分が電気によって動くことで、歯を磨くことができます。
手磨きのようにゴシゴシと磨く必要がなく、楽に歯磨きできそうなのが魅力的ですよね。
機械なので手磨きよりも均一に磨けますし、高性能を謳う製品も多いので、安心感があると思う方もいるでしょう。
実際に、電動歯ブラシを使った歯磨きについて「汚れが落ちやすい」「手磨きよりも歯磨き後にツルツル感がある」という感想を持つ方も多いようです。
しかし、本当に手磨きよりも電動のほうが歯磨きの効果は高いのでしょうか。
実は、これまで多くの実験や研究がされてきましたが、電動と手磨きで歯垢除去の効果にそれほど違いはないという結果も出ています。
どちらの方法で磨くかよりも、大事なのは磨き方であり、正しい磨き方であれば決して手磨きが劣るというわけではないようです。
電動歯ブラシを使うときは、機械で磨く安心感から磨き方が不十分なことも多かったり、誤った使い方でかえって歯や歯茎を傷つけてしまったりすることもあるので、注意が必要です。
そのような注意点もしっかりと理解したうえで、電動歯ブラシを使いましょう。
電動歯ブラシにはどんな種類がある?
電動歯ブラシにはどのような種類があるのか見ていきましょう。
大きく、「振動式」と「回転式」の2つに分けることができます。
●振動式
ヘッドが振動して歯を磨けるのが振動式で、ヘッドの形状は手磨き用の歯ブラシと似ています。
手磨きで小刻みにブラシを動かして磨くのを、電動によってさらにスピードアップして行えるイメージです。
振動式はさらに、振動式(狭義)・音波式・超音波式に分けられます。
振動式(狭義)は、この中では最も振動数が少ないですが、その分価格もリーズナブルです。
音波式は、振動式が多いうえに、音波による水流も歯垢除去を手伝ってくれます。
細かい振動で優しく歯磨きできるのが特徴でしょう。
超音波式はさらに振動が細かく、虫歯の好む「バイオフィルム」も除去できるので虫歯予防に効果的です。
●回転式
回転式は、ヘッドが円形になっていて、左右にぐるぐると動いて歯を磨いてくれます。
歯に伝わる振動が大きいですが、よりしっかりと磨いている感覚があります。
歯垢をしっかり落とせて、歯をツルツルに磨くことができるでしょう。
電動歯ブラシでの歯磨きの仕方
続いて、電動歯ブラシを使った基本的な歯磨きの仕方を押さえておきましょう。
大事なのは、歯ブラシを歯に押し付けず、そっと当てるイメージで磨くことです。
手磨きのように歯ブラシを動かす必要はありません。
上下の歯のかみ合わせ面や、歯の表側を磨く際は、歯面と垂直になるようにブラシを当てます。
歯と歯茎の境目には斜め45度くらいの角度でブラシを当てると、歯周ポケットの汚れまで落とすことができます。
歯の裏側や側面など少し磨きづらいところは、歯ブラシを縦に当てて1本ずつ丁寧に磨くようにしましょう。
強い力で同じ部分に電動歯ブラシを長時間当てると、歯や歯茎へのダメージが生じることもあるので注意してください。
また、研磨剤の含まれている歯磨き粉は、高速の振動により歯を削ってしまう可能性があるので使わないほうが良いです。
歯磨き粉は電動歯ブラシ用のものを使いましょう。
中には、歯磨き粉を使わなくてOKという製品もあります。
ちなみに、電動歯ブラシによっては、歯垢除去・歯茎ケア・ステイン除去など目的別にヘッドの種類を用意している製品もあります。
そのような場合は、使用する目的に応じてヘッドを使い分けると良いですね。
電動・手磨きのどちらも磨き方のポイントは同じ
前項では電動歯ブラシでの歯磨きの仕方をご説明しましたが、読んでいただくと分かる通り、電動でも手磨きでも磨き方のポイントは基本的に同じです。
・歯垢をしっかりと落とすために、歯ブラシを歯に正しく当てること
・適切な力加減で歯や歯茎へのダメージを与えないようにすること
この2つは、電動でも手磨きでも重要なことです。
いくら高性能な電動歯ブラシを使っていても、この基本的な磨き方を押さえていなければ、十分な効果を発揮できないでしょう。
雑な磨き方をしてしまえば、手磨きよりも磨けていないということにもなりかねません。
電動歯ブラシは機械でパワフルに磨けるため、短時間でサッと磨いても爽快感を得られやすく、雑な磨き方になってしまいがちです。
手磨きの場合と同じように、歯を丁寧に磨くことを心がけてください。
子どもや高齢者は手磨きのほうが良い?電動の歯磨きもできる?
電動歯ブラシを使った歯磨きは、やり方によっては歯や歯茎にダメージを与えてしまうことをお話ししてきました。
そのため、高齢者や子どもが使うときは、少し注意が必要です。
高齢者の場合は、加齢に伴い、歯や歯茎が弱っていることもあるでしょう。
そのため、かかりつけの歯科医に相談して、電動歯ブラシを使っても問題ないか確認してから使用することをおすすめします。
一方、子どもの場合は、まだ歯ブラシを握る力が弱いと、振動する電動歯ブラシをコントロールしきれない可能性があります。
すると、思わぬところに歯ブラシが当たってしまい、口内を傷つけてしまうことがあるかもしれません。
また、正しい使い方を理解していないと、歯ブラシを強く当てすぎたり同じ場所に長時間当てたりして、歯にダメージを与えてしまうこともあります。
必ず、大人が一緒に使い方を教えてあげましょう。
なお、子どもには電動歯ブラシを使わせる前に、手磨きの仕方をしっかりと身につけさせることも大事です。
幼稚園や学校などでは電動歯ブラシを使えないことも多いので、手磨きもきちんとできるようにしなければいけません。
手磨きの仕方が身につく前は、まだ電動歯ブラシを使わせないほうが良いでしょう。
電動でも手磨きでも!歯間のお手入れを忘れずに
歯ブラシを使った歯磨きだけでは、歯間の歯垢まできれいに取るのは難しいです。
これは電動でも手磨きでも同じと言えます。
歯間の汚れが虫歯や口臭などの口内トラブルにつながる恐れもあるので、歯ブラシの種類にかかわらず、歯間のお手入れはしっかりとしておきましょう。
おすすめは、歯ブラシでの歯磨き後に、歯間ブラシやデンタルフロスを活用することです。
製品によっては、電動歯ブラシのヘッドの種類に歯間用ブラシが用意されているものもあるので、それを活用しましょう。
また、電動のデンタルフロスも販売されています。
例えば、PHILIPS社の「ソニックケアー エアーフロス」シリーズは、機器に水を入れ、歯間部に向けて噴射すると、水の力で歯間の汚れを落とすことが可能です。
少量の水で素早く手軽に歯間ケアができるので、一般的な紐状のデンタルフロスを使うのが面倒だという方にもおすすめです。
歯ブラシによる歯磨きと併せてこのような歯間ケアを行い、口内トラブルを予防しましょう。
電動でも手磨きでも磨き方を意識するのが大事!
今回は、電動歯ブラシと手磨きの効果の違いや、電動歯ブラシで効果的に歯を磨くポイントをご説明しました。
電動でも手磨きでも、正しい磨き方をしていれば高い歯垢除去効果を得られます。
しかし、電動の場合はつい雑な磨き方になり、結果的に手磨きよりもきれいに磨けていないことにもなりがちです。
電動歯ブラシ自体の機能性に安心しすぎず、丁寧な磨き方を意識して歯磨きをしましょう。