食後30分待ってから歯磨きしたほうがいい?歯磨きと時間の話

歯磨き 2019.12.19
「食べたらすぐに歯を磨いてね。」 親からそう言われて育った人も多いのではないでしょうか。 しかし、近年になって「食後の歯磨きは逆効果」とも聞くようになりました。 一方で、食べてからすぐ磨いても大丈夫だという意見も聞きますし、どのくらい待ってから歯磨きすればいいかということも、意見が分かれるようです。 そこで、「食べた後どのくらいの時間で歯磨きするのが適切なのか」、そして「どのくらいの時間、歯磨きし続ければいいのか」という点について取り上げます。

食後すぐ歯磨きするのはNG?

家族や友人と、楽しいひと時を過ごしているうちに、つい遅い時間になってしまうことがありますよね。

子供もいれば、「早く寝かせなきゃ」という時間になって、「食べた後だから1時間後に歯磨き」ということになると大変です。

眠い子供は歯磨き時間を待ちきれず、歯磨きできないまま寝てしまうかもしれません。

また、ランチタイムに歯磨きするのが習慣になっている人もいるでしょう。

食後、30分~1時間経たないと歯磨きできないなら、お昼休憩が終わるギリギリの時間になってから歯磨きしなければいけないかもしれません。

効果的な歯磨きを習慣にしたいものですが、「歯磨きにふさわしい時間」ということが決まっていると、不便に感じることもありますね。

では、なぜ食後の歯磨き時間で「すぐ磨かないほうがいい」と言われるようになったのでしょうか。

食後30分~1時間待って歯磨きしなければいけないケースとは

「食後、30分~1時間程度待ってから歯磨きをする」というのは、すべての人におすすめされていることではありません。

元気な歯と歯茎を保っている人や、軽い虫歯がある人は、そこまで長い時間をおかずに歯磨きしてもかまわないのです。

30分以上の時間をおいてから磨くことをおすすめされるのは、酸性の食べ物や飲み物に対して歯が弱い状態になっているケースです。

食後、特に砂糖が多く含まれたものを摂取した直後は、口の中が酸性に傾いています。

歯のエナメル質が溶けてしまう状態になっていると、酸性の口内で歯ブラシを歯にゴシゴシ当てることで、歯や歯肉を傷つけてしまうと言われています。

30分~1時間経過すれば、唾液によって酸が中和されていきます。

したがって、歯が溶けやすい人でも歯磨きできる状態になるということです。

自分の歯が溶けやすい状態になっているかどうかは、歯医者さんに行って確認してもらいましょう。

専門家に歯を診てもらえれば、歯磨きの方法や歯ブラシの選び方、食後のうがいなどについても指導を受けられるでしょう。

食後の歯磨き時間については諸説あり

食後、歯磨きまでの時間については意見が分かれることもあり、歯が元気な場合でも「少し待ってから磨きましょう」と言われることがあります。

食べた後は、食べ物や唾液によって口内の細菌が減少し、口の中をキレイにする働きがある唾液が多い状態です。

唾液には消化を助ける働きや、歯垢が付くのを防ぐ働きもあります。

歯磨きしてうがいをしてしまうことで、その唾液を流してしまうことになります。

そのため、食後すぐ歯磨きをするよりは、デンタルフロスなどで歯間の食べカスを取るくらいにしておいたほうがいいという意見もあります。

キシリトール入りのガムを噛んで、唾液の分泌を促したり、水やお茶を飲んだりするのもおすすめされています。

一方、食後すぐ磨くのを推奨している歯医者さんも多いようです。

口の中に残った食べカスが、過剰に酸を出す原因になることや、プラークは早めに取り除くべきという理由で、早めに磨くことがおすすめされています。

どちらがいいのか迷うときには、やはり歯医者さんに行って相談するのがいいでしょう。

定期的に通っている歯医者さんなら、虫歯になりやすい箇所や歯肉の状態などを判断できますので、ケースバイケースのアドバイスができるかと思います。

自分にとってベストな磨き方は歯医者さんで聞こう

さまざまな意見をご紹介してきましたが、歯医者さんに行って、歯や歯肉に目立ったトラブルが見られない人なら「食後の歯磨き時間」をきっちり守る必要はありません。

時間がなかったり忘れてしまいそうだったり、「すぐに磨きたい」というときには磨いても問題ないでしょう。

砂糖の多いものを飲食した後でも、健康な状態の歯から一気に虫歯になるというのは考えにくいことです。

例えば、夕食を19時頃に済ませて、寝る前の22時頃に歯磨きをするという習慣も、しっかり磨けていれば何ら問題はありません。

くり返しになりますが、食後30分~1時間待ってから歯磨きしないといけない人もいれば、食後すぐの歯磨きがOKな人もいますので、自分にとってベストな時間を知りたいなら、歯医者さんで検診を受けることです。

それでは次に、歯磨きを始めてから終わりまでの時間についてお話ししていきます。

歯磨きは、時間というよりも磨き方が重要です。

長く磨いていても磨き方がよくなければ磨き残しがあるでしょう。

とはいえ、磨き方が身についていても3分未満で終わってしまうようなら、十分に磨けていない可能性があります。

上下20本以上の歯を一部分10~20回磨きつつ、歯ブラシが届きにくい部分まで念入りに行っていれば、3分未満で終わるのは考えにくいことです。

歯磨きする時間は3分以上!磨きすぎにも注意

歯磨きは、最低でも3分間は行いましょう。

丁寧に歯ブラシを動かせば、自然と5分程度は磨いているでしょう。

歯ブラシとタフトブラシを両方使ったり、歯磨き後に鏡を見ながらデンタルフロスで汚れを取り除いたりして、トータルのケア時間が15分を超える人もいると思います。

ただし、歯ブラシでの歯磨きだけで20分以上磨くのは長すぎると言えます。

特に、研磨剤やフッ素が含まれた歯磨き粉を使っている場合は、歯に負担がかかってしまいます。

歯磨きしすぎることで、エナメル質に傷がついて弱ってしまったり、歯茎が下がってしまったりと、トラブルをまねくおそれがあります。

「健康な歯を保ちたい」と思って行う歯磨きによって、歯や歯茎にダメージがかかってしまうことがないように、3分~15分程度の時間を守って行いましょう。

朝は3分~10分、夜は10分~15分くらいの時間、歯磨きをするのがおすすめです。

食後というよりも、寝る前の歯磨きが一日の歯磨きの中でもっとも大切だと言われています。

できるだけ念入りに行ってください。

効果的な歯磨きのコツ

食後の歯磨きまでの時間や、歯磨きをする時間についてお話ししました。

さきほども触れましたが、歯磨きは磨き方が重要なので、磨き方のコツをご紹介します。

●歯ブラシは同じ場所で小刻みに動かす

歯ブラシを小刻みに動かすことで、プラークを浮かせて取り除きます。

歯に付着した汚れは、細菌と入り混じってネバネバしていることも多く、同じ場所を何度も磨かないとなかなか落ちないでしょう。

また、上下左右に、磨く方向も変えてください。

同じ方向にばかり動かしていると、「当たらない場所」ができてしまい、そこが虫歯になりやすいです。

●歯と歯茎の間も磨く

歯と歯茎の間には数ミリの溝があり、歯茎で隠れた部分にプラークが溜まっていることがあります。

それを、歯ブラシの毛先でかき出すように磨きましょう。

歯ブラシを、歯に対して斜め45度に傾けて、歯と歯茎の間に入るように磨くと効果的です。

●奥歯は歯ブラシの入れ方を変えて磨く

奥歯で凹凸があると、歯ブラシを正面から入れるだけでは磨きにくいことが多いです。

ときには歯ブラシを斜め横から入れて磨くことも必要かもしれません。

デンタルミラーで確認するのもおすすめです。

「食後30分待って歯磨き」が絶対ではない

食後30分~1時間待って歯磨きするべきなのは、歯が傷つきやすい状態になっている人だと言われています。

歯医者さんで歯や歯茎の状態をチェックしてもらって、自分に適した磨き方や時間などを聞いてみるといいでしょう。

また、磨く時間ですが、長すぎると歯を傷めるおそれがあります。

寝る前の歯磨きでも、15分以内にしておくのがおすすめです。

コンプレックスなく明るい未来を。株式会社ソーシャルテック

RANKING

人気記事