親知らずは虫歯になりやすい?歯磨きやケア方法を伝授!
歯磨き 2019.12.17親知らずは歯磨きで磨きにくい?
親知らずは「第三大臼歯(だいさんだいきゅうし)」が正式名称で、ほかにも「智歯(ちし)」とも呼ばれています。
一番前の歯から数え、8番目の歯が親知らずに当たります。
通常、永久歯は15歳前後で生え揃うといわれていますが、親知らずは10代後半から20代前半にかけて生えるケースが多く、親に知られることなく生えてくることから親知らずという由来がついたといわれています。
親知らずは上あごと下あご、左右2本づつ、計4本生えますが、必ずしも4本生えるとは限りません。
また、人によっては親知らずが生えてこない人もいます。
さらに、親知らずは真っ直ぐ生えてくることもいれば、あごの中に埋まったまま生えてきたり、斜めに曲がって生えてきたりすることもあります。
正常に真っ直ぐ生えた親知らずは、基本的に問題はないことが多いですが、あごの中に埋まってしまったものや、斜めに曲がって生えてきたものに関しては、抜歯をすすめられるケースも多いです。
というのも、このような状態の親知らずは、歯磨きの際にもブラシが届きにくく歯垢がしっかりと取り除けないため、虫歯になりやすいのです。
親知らずの生え方にはさまざまなパターンがあるため、それぞれに合った歯磨きの方法を取る必要があります。
また、それだけでなく、親知らずが生えてしまうことでさまざなトラブルに発展しやすいといわれています。
親知らずが正常に生えない場合に起こりえる問題は?
親知らずが曲がって生えてきたり、横に生えてきたりした場合、どのような問題が起こるのでしょうか。
●虫歯になりやすい
親知らずは歯の中でも一番奥に生えるため、歯ブラシの毛先が届きにくく磨き残しが多くなる傾向にあるといわれています。
仮に親知らずが虫歯になってしまった場合、親知らず周辺の歯にも悪影響を及ぼす恐れがあります。
●歯並びに影響を及ぼす可能性も
親知らずの生え方によっては、歯並びに影響を及ぼす可能性も考えられます。
特に顎が小さい方は、歯が生えるスペースが足りなくなることも多く、噛み合わせに影響してくることもあります。
●歯茎に炎症が起こりやすい
親知らずが斜めに生えてきたり、歯茎に埋まった状態で生えてきたりした場合、食べかすや細菌が溜まりやすくなります。
すると、歯茎の痛み、腫れや炎症を引き起こす可能性があります。
親知らずは歯ブラシのブラシが届きにくく、歯垢が溜まりやすい特徴があるため、虫歯や炎症などのリスクが高くなります。
そのため、よりしっかりとケアをしていく必要があるのです。
では続いて、親知らずの歯磨きの方法やケアをお伝えしていきます。
親知らずの歯磨き方法
親知らずが真っ直ぐ生えてこなかった場合、汚れが溜まりやすく虫歯や炎症などのリスクが高まります。
また、正常に真っ直ぐ生えた親知らずに関しても油断は禁物です。
親知らずを虫歯にしないためにも、意識して歯磨きを行うことが大切です。
ここでは、親知らずの歯磨きの方法とポイントをお伝えしていきます。
●歯磨き方法
親知らずは磨きにくい場所なので、歯ブラシの選び方にもポイントがあります。
まず、小さめでコンパクトなヘッドであること、そしてヘッドが薄く、ネックが細いものです。
歯磨きをするときは、歯ブラシの毛先がしっかりと親知らずに当たるように意識して、歯ブラシを斜め横から入れます。
そのとき、口を大きく開けるとかえって磨きにくいことがあるので、あまり口は大きく開ける必要はありません。
歯の列に対して斜め45度にブラシを当て、小刻みに小さく歯ブラシを動かしていきます。
また、親知らずだけでなく、周辺の歯も汚れが溜まりやすいので、親知らず手前の歯の後ろ側もしっかりと磨いてください。
歯磨き以外で実践したい!おすすめのケア商品と方法
先ほどお伝えしたように、歯ブラシを使って歯磨きをするときは、しっかりとブラシを歯に当てて小刻みに動かすことがポイントです。
加えて、奥歯まで届きやすいコンパクトな歯ブラシを使用してケアしていきましょう。
また、歯ブラシだけでは十分に磨ききれない場合は、ほかのケア商品を併用することをおすすめします。
ここでは「タフトブラシ」をご紹介していきましょう。
●タフトブラシ
タフトブラシは、歯並びの関係で磨き残しがある箇所や、とどきにくい奥歯の磨き残しなどをピンポイントでケアできる商品です。
通常の歯ブラシと違い、毛先が小さく細くなっているため、歯と歯の隙間や、奥歯など磨き残しがしやすい場所にも届きやすい形状となっています。
●タフトブラシを使ったケア方法
続いて、タフトブラシを使ったケア方法をお伝えしていきます。
まず、タフトブラシをペンを持つように握ります。
その状態で、親知らずにブラシを当て、軽い力で小刻みにブラシを動かします。
ブラシが小さい分、無理せずに親知らずをケアすることができます。
斜めに生えている親知らずにはデンタルフロスを使おう!方法は?
親知らずが斜めに生えてきてしまっている場合、親知らずの一本手前の歯と歯の隙間に汚れが溜まりやすくなります。
しかし、通常の歯磨きでは汚れが取り除くことは難しいです。
そこでおすすめなのが「デンタルフロス」です。
デンタルフロスには大きく分けて2つの種類があります。
1つは「糸巻きタイプ」といって、手に巻きつけて使用するタイプです。
2つ目に「ホルダータイプ」といって持ち手がついたタイプです。
また、このホルダータイプには、F字型とY字型に分けられ、F字型は主に前歯のケアに使用されます。
一方Y字型は前歯だけでなく、奥歯もケアしやすい形状で作られているため、親知らずのケアにもおすすめの商品です。
デンタルフロスを使ったケア方法は簡単で、フロスを歯と歯の間に差し込み、前後に優しく動かすだけです。
ホルダータイプのデンタルフロスは持ち手がついているため、片手で鏡を持ちながら使うことができます。
気をつけたいのは、力を入れてケアをすると歯茎から出血する可能性もありますので、注意してください。
親知らずは一度歯科医に相談を
親知らずが正常に生えてきたものに関しては、噛み合わせや痛みなどのトラブルがない限り、特に問題はないと考えてよいでしょう。
しかし何度もお伝えしているように、親知らずは汚れが溜まりやすく磨き残しがしやすい場所ですから、歯ブラシでしっかりと歯磨きを行い、それに加えタフトブラシやデンタルフロスなどでケアしていく方法を取りましょう。
ただ、問題なのは、親知らずが斜めや横に生えてきた場合です。
この場合、歯茎の痛みや歯並びに影響を及ぼす可能性も考えられます。
また、親知らずが歯茎に埋まった状態ですと、親知らずの存在自体に気づかないこともあります。
中には歯茎に腫れや痛みを感じ、歯医者を受診したところ親知らずが原因だった、なんてこともあります。
親知らずがある方もない方も、一度歯科を受診し今後どのように親知らずと向き合っていくか、相談しておくとよいでしょう。
親知らずはケアが大切!歯科医にも相談を
ここまでお伝えしたように、親知らずは正常に生えてこないことも多く、磨きの残しや汚れが溜まりやすい場所です。
そのため、虫歯などになりやすい場所といえるでしょう。
日ごろからしっかりとしたケアを行い、歯を虫歯から守ってください。
また、親知らずは生え方によっては抜歯をすすめられることもあります。
親知らずで悩んでいる方は、一度歯科医に受診し相談してみるのもよいでしょう。