試してみる?スウェーデン式歯磨きのやり方と注意事項
歯磨き 2019.11.30歯科先進国!スウェーデン式歯磨きとは?
スウェーデンの気候は寒く、干し肉などの硬い保存食を食べることが多かったことから、歯を大切にしてきたと言われています。
国民全体のデンタルIQ(歯についての知識)も高いようです。
子供のころから定期的に検診を受けるので、虫歯がある人も少なく、歯の矯正も保険適用内です。
ここでご紹介する「スウェーデン式歯磨き」は1995年に発表された磨き方で、「イエテボリテクニック」とも呼ばれています。
スウェーデン式歯磨きのやり方の大きな特徴は、フッ素の力を利用するということです。
研究者の実験により、高い予防効果があると証明されているスウェーデン式歯磨き。
そのポイントをご紹介します。
・フッ素高濃度の歯磨き粉を使う
・歯磨き粉をたっぷり使う
・歯磨き後には飲食を控える
どのように磨くのか詳しく知りたい方は、次項もお読みください。
スウェーデン式歯磨きのやり方
スウェーデン式歯磨きのやり方は、日本で歯医者さんや学校から教えてもらった方法とはちがい、「本当に効果があるの?」と疑問に思う方も少なくないでしょう。
しかし、今ではスウェーデン歯磨きや、それに近い方法をおすすめしている歯医者さんも多いようです。
詳しいやり方は、下記の通りです(対象年齢12歳以上)。
1.歯ブラシにフッ素高濃度の歯磨き粉をつける
2cm程度、たっぷりと使うのがポイントです。
歯ブラシの上に乗せられるだけ乗せるという感じです。
2.歯磨きをしっかりと行う
歯磨き粉が、すべての歯に満遍なく行き渡るように磨きます。
手を抜かずに、きちんとブラッシングしましょう。
磨き方が丁寧なら2分程度で十分です。
3.口の中の泡を出して、ブクブクうがいをしない
どうしても口をゆすぎたいなら、少量の水で1~2回行うだけにします。
これで終わりですが、「歯磨きをした後に飲食をしない」というのもポイントです。
30分~2時間は何も食べないようにします。
歯医者さんでフッ素を塗ってもらうと、その後しばらく飲食ができないことがありますが、スウェーデン式歯磨きではそれを日常的に行うということです。
驚きのやり方!スウェーデン式歯磨きで欠かせない「フッ素」
スウェーデン式歯磨きの、「歯磨き後に口をゆすがない」というのは驚きの磨き方ですし、慣れないとストレスに感じるのではないでしょうか。
しかしながら、歯磨き粉のフッ素の効果は歯医者さんでも認められていて、「なるべく口をゆすぐ回数を少なめに」と指導を受けることもあるかと思います。
日本で、フッ素配合の歯磨き粉が販売されはじめたのは昭和23年です。
フッ素自体は昔から使われてきたものですが、歯磨き後には泡と一緒にフッ素が洗い流されてしまうほど、しっかりと口をゆすぐのが一般的なやり方でした。
フッ素には、抗菌効果や、歯の再石灰化を防ぐ効果があります。
口の中で虫歯菌が増えて酸が作られ、歯の表面を溶かし始めても、唾の中のカルシウムによって再石灰化が起これば歯が修復されます。
フッ素はこの再石灰化を助けてくれる成分なので、歯を強くする効果に優れているのです。
また、フッ素は、酸に溶かされにくい物質を生み出してくれて、それが歯の表面をコーティングするため、歯を守る効果も期待できます。
スウェーデン式歯磨きのやり方には注意事項がある
スウェーデン式歯磨きのやり方をご紹介する際にも書きましたが、この磨き方は、12歳未満の子供には禁止されています。
日本では、6歳以下の子供に大人用のフッ素配合歯磨き粉を使うのも良くないという認識が一般的です。
フッ素は、幼児の頃から歯磨き粉に含まれていたり、歯医者さんで塗ってもらったりしますが、それは子供用の低濃度のフッ素です。
小さい子供のうちから高濃度のフッ素を使うことは良くないと言われていますので、誰かにおすすめする場合でも、この点を忘れないようにしたいですね。
ちなみに、大人が使う場合でも、フッ素の安全性が疑問視されることがありますが、過剰摂取にならなければ問題ないと言われています。
一度にフッ素を大量に飲んだり、長期間摂取し続けると、吐き気を感じたり骨がもろくなったりする可能性もあるのですが、歯磨きで使う場合はほとんどの量が吐き出されます。
歯磨き一回分で使うフッ素が約1mgで、磨いた後に吐き出すことを考えると、摂取するのはごくわずかです。
しかし、前述したように、スウェーデン式歯磨きが発表されたのは1995年です。
比較的新しい磨き方なので、若いころから高齢になるまで何十年もスウェーデン歯磨きを続けた場合にデメリットがないかが明らかにされているわけではないでしょう。
人の体質にも個人差がありますので、自分に合った方法で磨くのがおすすめです。
スウェーデン式歯磨きに使う歯磨き粉
スウェーデン式歯磨きに使う歯磨き粉は、フッ素高濃度であれば日本製歯磨き粉でも問題ありません。
たとえば、ライオンのクリニカアドバンテージのフッ素濃度は1450ppmです。
歯にとどまりやすい高密着フッ素というのもポイントですね。
他にも高濃度フッ素配合の歯磨き粉はありますのでご紹介します。
・ライオン チェックアップ スタンダード
・サンスター バトラーエフペーストα
・ネイチャーラボ トゥービー・ホワイト 薬用ホワイトニングジェルハミガキ
・アース製薬 薬用シュミテクト
日本ではフッ素配合と書かれていても、900ppm程度の歯磨き粉が多いですが、上記の歯磨き粉はすべて高い濃度で配合されています。
ただし、フッ素の力に頼りすぎて、歯ブラシでの歯磨きのやり方がおろそかになるのはNGです。
磨き残しがないように歯ブラシを動かして歯磨きをすることが重要です。
フッ素だけに頼らず正しいやり方で磨こう!
スウェーデン式歯磨きを実践するとしても、歯ブラシを雑に動かすと虫歯のリスクは高まると考えられます。
そこで、「正しい歯磨き」とされている磨き方のポイントをおさらいしておきましょう。
●集中して磨く
テレビなどを見ながらの「ながら磨き」は、時間をかけて磨いても歯に集中できていないやり方です。
磨き残しが多くなる可能性が高いでしょう。
できるだけ鏡の前で、歯に歯ブラシがしっかりと当たっているか確認しながら磨いてください。
奥歯のかみ合わせ、頬側の歯の表面、前歯の裏など磨きにくいところも磨いてください。
通常の歯ブラシだけではなく、毛先が小さくて尖った形状のタフトブラシや、糸で汚れを取るデンタルフロスを使用するのも良いでしょう。
●食事後、すぐに磨かない
食事をした直後は口内が酸性になっていて、歯ブラシの摩擦や歯磨き粉に含まれる研磨剤によって歯や歯ぐきが傷ついてしまうおそれがあります。
少なくとも30分以上はおいて磨き始めることをおすすめします。
●清潔な歯ブラシで磨く
歯ブラシは使った後はその都度洗って、風通しのいい場所に置きます。
密閉された空間や収納ケースに入れると雑菌が繁殖して不衛生です。
また、1ヵ月くらい使用したら交換するようにしましょう。
不潔な歯ブラシで磨いていると、口腔トラブルを引き起こすこともあります。
スウェーデン式歯磨きのポイント
スウェーデン式歯磨きのポイントは、
・フッ素高濃度歯磨き粉をたっぷり
・歯全体に歯磨き粉を
・歯磨き後には口をゆすがない(少量の水で1~2回ならOK)
・歯磨き後しばらく飲食をしない
などの点です。
歯磨き粉の味や舌触りが長く口の中に残り続けることになりますが、フッ素の効果を最大限に利用できる方法です。
まずは、フッ素高濃度の歯磨き粉を使い、口をゆすぐのを控えめにすることからはじめても良いのではないでしょうか。